難所の榎峠、バイパス化工事が起工 福知山-丹波結ぶ国道429号

2023年01月23日 のニュース

 京都府福知山市と兵庫県丹波市を結ぶ国道429号榎峠バイパス道路改築事業の起工式が21日、丹波市青垣町の青垣住民センター体育館で開かれた。見通しの悪い急カーブが連続し、道幅が狭くて車が離合できない箇所が続くなど危険な峠道を整備。一部をトンネルにして通行しやすくする。2027年度の完成を目指しており、事業の実現を願ってきた両市住民たちが、喜びの声を上げた。

 道路のバイパス化は1993年に両市行政で設立した国道429号(福知山丹波間)改修促進同盟会、2004年に両市住民で立ち上げた国道429号(福知山青垣間)改修促進合同協議会が、府と県などに要望活動を続けていた。

 工事は京都府と兵庫県が主体で、丹波市青垣町中佐治から福知山市談にかけての道路延長2・4キロで実施し、全幅員を6メートルにする。うち1キロ余りは榎峠トンネル(仮称)になる。総事業費は43億円。

 現状は地元の人でも「特に冬場は、よほどのことがないと怖くて通れない」とひるむ交通難所だが、整備後は走りやすくなり、バスやトラックの通行も可能になる。両地域の移動時間も従来より15分短縮されるなど、医療機関や観光地などへのアクセスが向上する。

■「災害時連携強化に大きな期待」■

 起工式は、改修促進同盟会と兵庫県丹波県民局主催で行われ、両地域住民ら約90人が出席した。初めに、同盟会副会長の林時彦・丹波市長が「新しい道路による両地域の交流や災害時連携の強化に大きな期待を寄せています。ここまでこられたのは両地域の住民らのおかげです」とあいさつ。続いて、地元選出の衆参両議員らが祝辞を伝えた。

 また、両地域の住民組織代表として丹波側の足立信昭さんが、30年以上続いた要望活動を振り返り、「活動をやめようと思うこともあったが、いろいろな人に励まされ、住民たちの熱い思いを関係機関に伝えてきました。多くの人の支えに感謝し、これからは活力ある地域づくりに取り組んでいきたい」と意気込んだ。

 このあと、各組織の代表7人が工事の無事を祈って鍬入れをした。謝辞に立った同盟会会長の大橋一夫・福知山市長は「起工式を迎えられたことを地域のみなさまと喜び、同盟会として心から感謝申し上げます。事業の推進に向け、両市が全力で協力していきたい」と述べた。

 式典後は両地域住民が「次は完成式典で出会いましょう」など、笑顔で言葉を交わし合った。

 福知山側の住民組織代表の佐竹義正さん(77)=拝師=は「今日まで要望を続けてきて、ようやくみんなの思いが実現する喜びを感じており、地元としても、とてもうれしく思っています」と話していた。

参照:事業区間

 

写真上=バイパス化される榎峠
写真下=鍬入れをする各組織の代表たち

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