希少な丹波漆の「そばちょこ」 全国土産品審査で入賞

2022年01月27日 のニュース

 全国の優れた観光土産品を発掘する「第62回全国推奨観光土産品審査会(日本商工会議所、全国観光土産品連盟主催)で、京都府福知山市夜久野高原、道の駅農匠の郷内にある市やくの木と漆の館(小野田さやか館長)が出品した「丹波漆そばちょこ」が、全国商店街振興組合連合会理事長賞に輝いた。文化財修復にも使われる夜久野産の漆を生かし、希少性が高く評価された。

 審査会は毎年開き、特に優れた土産品に賞を贈る。今年度は全国各地から、菓子、食品、民工芸、グローバルの4部門に541点が出品された。

 丹波漆そばちょこは、オリジナルの木地に希少な国産の天然漆を10回近く塗り重ね、仕上げに、年間にほんのわずかしか採取されない丹波漆を塗っており、木目がきれいに透けて見える。緑や黄の色漆を使って丹波漆の葉の模様を転写し、産地ならではのオリジナリティーを持たせている。

 木と漆の館で1個9900円(税込み)で販売している。元来、そばのつゆを入れる器だが、コーヒーやお茶を飲むフリーカップとしても使え、口に触れた際の感触の心地良さを楽しんでほしいという。

 22年度から2年間は、全国観光推奨土産品連盟の「推奨シール」を貼ることができ、連盟のホームページでも紹介される予定。

 審査会は昨秋に開かれたが、新型コロナウイルスの影響で表彰式は中止され、このほど表彰状と盾が届いた。

 丹波漆は透明感があるのが特徴で、夜久野は古くから良質な漆の産地として知られるが、戦後は安価な輸入品や人口塗料に押されて生産が減り、採取する漆掻きの技術(府無形民俗文化財)が途絶えそうになったが、近年はNPO法人丹波漆が技術を伝承し、漆の木の植栽に努めている。

 木と漆の館は審査会に10年前から出品しており、入賞は第56回に続いて2回目。小野田館長は「希少な丹波漆のPRにもつながり、うれしい。今後も新商品を開発して出品を続けていきたい」と喜んでいた。

 問い合わせは木と漆の館、電話0773(38)9226へ。水曜日休館。

 

写真=年間にほんのわずかしか採取されない丹波漆を塗って仕上げたそばちょこ

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