中日の黄金期支えた「精密機械」 福知山出身の吉見一起投手が引退

2020年11月09日 のニュース

 プロ野球・中日ドラゴンズの吉見一起投手(36)が、今季限りで現役を引退する。京都府福知山市で生まれ、「精密機械」と評されるコントロールを武器に、中日の黄金時代を支えたエースは、これまでの多くのファンと市民の応援に感謝しながらユニホームを脱ぐ。

 吉見投手は、旧聖テレジア幼稚園から大正小学校に進み、2年生の進級式を前に父親の仕事の都合で大阪に引っ越した。その後に野球を始め、金光大阪高校2年の春には、エースとして第74回選抜大会にも出場した。

 卒業後はトヨタ自動車に入り、2005年のドラフト希望入団枠でプロ入りした。09年に先発ローテーション入りを果たし最多勝を獲得。2年連続でリーグ優勝した11年には、最優秀防御率と2度目の最多勝で2冠に輝くなど活躍した。08年~12年には、5年連続の2桁勝利を達成した。

 13年に右ひじを手術するなど、近年はけがとの戦いだった。それでも、今季は開幕ローテーション入りをもぎ取り、6月27日の広島戦で5回1失点で勝利した。しかし、その後は苦しみ、結局今シーズンは1勝2敗。1日に現役引退を表明した。

 今季5試合目の登板となった6日のヤクルト戦が引退試合となり、先発で打者1人から空振り三振を奪い、マウンドを降りた。試合後にはセレモニーがあり、本拠地ナゴヤドームに駆けつけたファンの大歓声に包まれるなか、プロ野球生活に幕を閉じた。

 プロ15年間の総合成績は、223試合90勝56敗、防御率2・94だった。

■今も毎年墓参り 地元の応援に感謝■

 吉見投手は「福知山には今もお墓がありますし、毎年行かせてもらっています。地元のみなさんが応援していただいていたことは、聞いていました。これまでありがとうございました」と、両丹日日新聞社にコメントを寄せた。

 幼稚園が一緒だった和田一海さん(36)=駅前町=は「卒園したあとも、福知山や大阪で食事をするなど、仲良くしていました。プロ入り後は、会える機会がなかったけど、活躍する姿を見ていました」という。

 現役引退については、「おつかれさまでしたの一言に尽きます。福知山に帰ってきたら、一緒に飲みに行って、労をねぎらいたい」と話していた。
 
 
写真=現役を引退する吉見投手(中日ドラゴンズ提供)

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