被写体はそりで滑る自分 学校制服フォトコンで入選 中丹支援高等部矢口心海さん

2025年12月06日 のニュース

 中学生、高校生を対象とした「第4回学校制服フォトコンテスト」で、京都府福知山市私市の府立中丹支援学校高等部2年、矢口心海さんの作品が入選した。雪が積もった学校の石段を、自身がそりで豪快に滑る瞬間を捉えたもので、個人としての入選は同校で初めて。

 コンテストは創造性や芸術性の育成機会の創出、学校教育における芸術文化活動の支援を目的に菅公学生服が主催している。

 学校制服を着用した学生が被写体であることが条件で、今回のテーマは「私たちのキセツ」。春、夏、秋、冬の4部門があり、292校1353人から2107点が集まった。最優秀賞1点、優秀賞4点(各部門から1点)、審査員特別賞4点、入選20点などを選んだ。

 矢口さんの作品は冬部門(応募数143点)に出した「恐怖の天然スライダー」。高校1年の冬の昼休み、グラウンドに続く石段に雪が積もってできた天然のスライダーを、そりで滑る自分自身を捉えた。滑っている別の生徒の楽しそうな姿を見て思い付いたという。協力してくれた教員に、ローアングルで撮ることなど思い描く構図を細かく伝え、タブレットで撮影してもらった。

 矢口さんは「思ったよりスピードが出て、こけそうになって思わず手を出しました。楽しかったけどちょっと怖かったです」と振り返る。

 審査員の講評では「京都でもこれほど雪が積もるのですね。ついさっきまで滑っていたことが伝わる雪の痕跡がちゃんと写っているのがいい。手をついているところも手を切らないで画面にしっかりと収めており、構成が非常にうまい」と高い評価を得た。

 このほど同校で表彰式があった。京都菅公学生服北近畿営業所=問屋町=の谷楓太さんが「表情から楽しさが伝わる良い写真ですね。おめでとうございます」と伝え、矢口さんに賞状を手渡した。

 フォトコンテストをきっかけに写真にハマり、普段から一眼レフカメラで風景や動物などを撮るという矢口さんは「とてもうれしい。今後もいろんなコンテストに応募して腕を磨き、同じ障害がある子も『自分もできるかも』と思ってもらえるような写真を撮っていきたい」と話していた。

写真上(クリックで拡大)=矢口さんの作品「恐怖の天然スライダー」
写真下(クリックで拡大)=入選を喜ぶ矢口さん(右)

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