ビニール傘を再利用「突然の雨の時は使って」商店街の店先に、誰でも自由に使えるシェア傘を設置 公立大生の取り組み
2025年12月03日 のニュース
京都府福知山市の広小路商店街に、誰でも自由に使える共有傘が設置されている。捨てられるはずだったビニール傘を再利用し、物を大切にする精神を広めることを目的に、福知山公立大学の学生が進める取り組みだ。傘をきっかけとした交流も生まれている。
資源問題に関心持ち
卒業研究の一環で
活動するのは地域経営学部4年の疋田雄誠さんと栗原乃愛さん。大学や飲食店で置き忘れられた傘を集め、共有傘として再活用する「まちのひとカサプロジェクト」を、卒業研究の一環として行っている。
傘は協力を得た同商店街の「フリママ」「老舗の味 金時」「古本と珈琲の店モジカ」「本家かまどや広小路店」の店先にそれぞれ8本ずつ設置している。
2人はアルバイト先で廃棄食材を目にしたことから、資源問題に関心を持った。ゼミでは、捨てられる資源に新たな価値を生む「アップサイクル」や3R(リユース・リデュース・リサイクル)などについて研究してきたという。
疋田さんは「大量消費が当たり前の世の中で、身近なもので何かできないかと考えた」と話す。同商店街にはアーケードがなく、突然の雨に困る人も多いと聞き、共有傘の設置を思い付いた。
共有傘は11月上旬から設置を始め、定期的に2人が現地を訪れて利用状況を確認している。協力店舗によると、傘をきっかけに来店者との会話が生まれるなど、交流にも一役買っている。
借りた傘は4カ所のいずれに返却してもよく、返却期限も設けていない。市内の子どもたちが描いたイラスト入りの傘もあり、絵柄の有無による使用率や返却率の違いも調査している。
栗原さんは「活動を続ける中で、資源を大切にする意識は自分たちにも広がりました。可能であれば卒業後も設置を続け、地域に根付かせたい。傘は気軽に利用してほしい」と話している。
写真上(クリックで拡大)=共有傘を設置した疋田さん(左)と栗原さん
写真下(クリックで拡大)=子どもたちが描いたイラスト入りの傘も








