障害者雇用に工夫続ける京都庵 厚労大臣から優良認定

2025年11月20日 のニュース

法定雇用率を大きく超え採用

 障害のある人の雇用の優良中小事業主として厚生労働大臣が認める「もにす認定」に、福知山市三和町下川合の京都庵(松田憲嗣社長)がこのほど選ばれた。福知山、篠山2工場の従業員274人のうち、知的、精神、身体障害のある19人が会社を支える大切な人材として働いており、障害者雇用率は法定の2・5%を大きく上回る数字となっている。

 同認定には、企業や障害のある人が明るい未来や社会の実現に向けて「と『もにす』すむ」という思いが込められている。法定雇用率を達成しているほか、環境づくりやキャリア形成などが総合的に判断されて認定され、府内では12社目、市内では2社目となる。

 味付き油揚げを主に製造、販売する京都庵では2006年、障害のある人を初めて採用したものの、安全配慮や職場環境の整備に課題があり、採用を見送る時期が続いた。どうすれば互いに安心して仕事をしてもらえるか-社内で検討を続け、3年後の09年から再度雇用を始めた。

 関係機関のサポートも受けつつ、仕事や勤務時間の分散、通勤時の送迎などの態勢を整え、誰もが働きやすい職場作りが進んだ。口コミで評判が広まり、面接に来る人も増えたという。

 松田社長(49)は「こうした雇用を通じて、今では当たり前となった働き方改革に早くから着手でき、雇用の窓口を広げられたことが大きいです」と振り返る。

 健常、障害の区分なく全員が一線で活躍し、会社にとって、なくてはならない存在になっている。仕事以外にも、春には、敷地内で開くお花見でみんなで一緒になって食事を囲んだり、カラオケを楽しんだりするなど、社内全体のコミュニケーションもスムーズで、勤続年数が10年を超える人もいる。

 認定を受け、松田社長は「福知山で育ててもらった企業なので、その恩返しをしたい。どんな人でも、自分のやりたい仕事を実現する機会があるべきだと考えています。その機会が提供できる会社にしていきたいです」と話した。

 

写真上(クリックで拡大)=障害の有無にかかわらずみんなが一線で活躍する
写真下(クリックで拡大)=認定証を持つ松田社長

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