政治倫理条例の実効性検証 市議会が職員へアンケート

2025年11月11日 のニュース

違反行為ありが1割 課題共有し改善図る

 今年度から、議員の不正行為やハラスメントを禁じる「福知山市議会議員政治倫理条例」を施行した市議会(吉見茂久議長)は6日、条例施行から6カ月を迎えて市職員に実施した実効性検証アンケートの結果を公表した。回答者182人の1割に当たる18人が名誉棄損、ハラスメントなどの違反行為があったと回答しており、市議会は課題意識を共有して議会改善の推進を図る。

 同条例は議員活動をする際に順守すべき内容をまとめており、「他人の名誉、人格を損なう発言・情報発信」「市などへの要望の強要」「地位を利用した嫌がらせ、強制・不当圧力」など17項目の違反行為を設定している。

 また、違反の疑いがあった場合は、市の選挙人名簿に登録されている有権者か別の議員が、違反の疑いを明らかにする資料などをもとに申し立てや審査請求をすることができる。違反が認められた場合には、違反した議員自身に必要な措置を求めたり、場合によっては議会が議決によって措置を講じることも定めている。

 アンケートは、議員たちが同条例を守った議員活動を日々行っているかを検証するために実施した。病院医療職を除く係長級以上の318人を対象に、10月1日から14日までにオンラインの匿名回答で実施した。今年4月1日以降に同条例に違反する行為を受けたことがあるか、ある場合はどの項目に該当するか、違反行為を無くすために必要なことなどをチェック形式で尋ね、自由記述欄も設けた。

 その結果、回答者全体の9割が違反行為は「ない」としたが、1割は「ある」と回答。違反内容(複数回答可)で多かったものは、「ハラスメント・誹謗中傷・風評の流布による人権侵害」が9件、「市などへの要望の強要」が7件、「他人の名誉・人格を損なう発言・情報発信」が6件だった。

 「違反行為をなくすために必要なこと」では議員の意識改革・啓発、違反行為に対処する体制づくり、相談しやすい窓口の設置などを求める声が多かった。自由記述では「高圧的な物言いが散見される」「議員の地元からの要望を過度に求めてくる議員がいる」「条例の周知が必要」などの声が寄せられた。

 市議会では議員全員に結果を共有して、一人ひとりの現状認識を深めたほか、さらに同条例の実効性を高めるための方策を精査、検討していく。また、アンケート結果は市議会ホームページでも一般公開して透明性の確保に努めている。

 市議会は6日に報道機関へ結果の公表を行い、吉見議長や議会政策検討会議の高橋正樹委員長らが説明に立った。吉見議長は「アンケートの結果は、条例の実効性に課題が残されていることを示しており、市議会として厳粛に受け止めています。今後は条例の趣旨と内容を広く周知しつつ、政治倫理の順守意識を一層高めていきたい」とした。

 今後も年度中に数回、アンケートを実施することや対象を広げることを検討している。

 

写真(クリックで拡大)=アンケート結果を説明する市議ら

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