秋色のまちに祭りの活気 市内各地で家内安全など願う

2025年10月14日 のニュース

 京都府福知山市内の各地で12、13両日、秋祭りがにぎやかに行われた。秋色深まる中、五穀豊穣に感謝し、家内安全を願って神輿が練り歩き、祭りばやしや太鼓、笛の音がまちに響いた。見物者もみんな笑顔で、地域に活気があふれた。

初めて女性も参加 三俣の生野神社

 上六人部地区、三俣の生野神社で12日、秋季例大祭が執り行われた。毛槍を持った奴、子ども神輿、初めて外国人や女性が参加した大人神輿など、総勢110人が正後寺、坂室、堀越、三俣を練り歩いた。

 500年以上続く伝統的な祭り。今年の奴は30、40代の男性7人が務め、各地区で約3メートルの毛槍の投げ渡しを披露した。神輿の巡行には、女性を含む福知山公立大学の学生が初めて参加。従来の羽織袴に代わり、着付けの負担を軽減するために新調した小忌衣を着用し、祭りを彩った。

 総代代表の高橋義行さん(80)は「少子高齢化の波は祭礼行事にも影響し、総代や自治会役員にとって悩みの種だったが、今年は新たな試みとして神輿巡行に女性も参加してもらった。これからも時代に合わせながら、伝統行事を守っていきたい」と話していた。

写真(クリックで拡大)=新調した小忌衣を着用した担ぎ手たち(生野神社)

子らが雨乞い踊りを披露 今安の天照玉命神社

 今安の天照玉命神社では12、13両日、秋祭りが開かれた。13日の本祭では子どもたちが神輿を担ぎ、地区内を巡行したほか、地域に古くから伝わる「雨乞い練り込み踊り」を披露した。

 踊りは昔、日照りが続いたときに地元の人たちが降雨を願って踊ったのが始まりとされている。かつては大人が踊っていたが、伝統を守り継ぐために35年ほど前から保存会が子どもたちに指導している。

 この日は小中学生約20人が太鼓、笛の音に合わせ、うちわや扇子を手に、ゆったりとした踊りを披露した。

 踊りや太鼓の先導役を務めた小学3年生の男子児童2人は「緊張もしたけど練習以上にうまくできました。来年は太鼓役に挑戦したい」と話していた。

写真(クリックで拡大)=雨乞い練り込み踊りを披露した(天照玉命神社)

まわし姿の住民力士が土俵で相撲甚句 夜久野町宮垣の天満神社

 夜久野町宮垣の天満神社で12日、秋の大祭が営まれた。化粧まわしを着けた住民が扮する力士が土俵で歌う「相撲甚句」があり、見物者が拍手を送った。

 祭りは、神社周辺の宮垣、大岶、桑谷、西垣、栗尾、才谷の6自治会の氏子主催。福知山公立大学生が運営を手伝った。

 神社と相撲とのつながりはいったん途絶えたが、45年ほど前に相撲甚句として復活し、今に続く。珍しい内容のため、地区外からも見物する人やカメラマンが訪れる。

 軽快な太鼓が響く中、力士14人が土俵に登場すると、観客から拍手喝采が起こった。力士たちは土俵の外側で円を描きながら歩き、中央に向かって手を打つなどの所作をしながら歌い、会場には笑顔が広がった。

 このほか、力士代表による横綱の土俵入りと弓取、子ども相撲も行われた。

 代表総代の野崎博司さん(77)は「一度は途絶えたが、復活させて今まで引き継いできた伝統の祭り。これからも大切にしていきたい」と気を引き締めた。

写真(クリックで拡大)=住民力士が伝統の相撲甚句(天満神社)

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