認知症でも障害あっても…誰もが安心して暮らせるまちに 世代超えつながるイベント開催
2025年09月23日 のニュース
京都府福知山市は20日、市役所隣のハピネスふくちやまなどで「地域のみんなでつながるイベント」を開いた。延べ534人が訪れ、音楽や落語、多文化料理教室などを楽しみながら、誰もが安心して暮らせる地域づくりについて考えた。
市は、認知症の人や障害のある人、子育て家庭などに寄り添い、必要な時に手を差し伸べることができる優しいまちづくりを「オレンジのまちづくり」と称し2019年度から各事業に取り組んできた。今年度はさらに広げるため、新たにプロジェクトを立ち上げ、市民が参加できる6回のイベントを企画。この日はその第1回にあたる。
ステージでは「福知山市認知症の人と共に歩む会」の立ち上げ宣言があり、代表の小林英夫さん=三和町大原=が「認知症への正しい理解を広げ、偏見や誤解をなくし新しい認知症観を確立します」などと宣言文を読み上げ、「三和地域から広がった家族交流会を発展させ、認知症になっても住み慣れた地域で安心して暮らせるまちを、市民のみなさんとともにつくっていきたい」と力を込めた。
活動報告では、福知山障害児(者)親の会の田中愛子会長が登壇。陶芸教室や旅行、スポーツ交流会、世界自閉症啓発デー運動などの活動内容を紹介し、「一人じゃないと感じられる仲間づくりや学びの機会を大切にしながら、地域との結びつきを深めていきたい」と語った。
共有したいこととして、「まずは知ること、関心を持つこと」「親は生きている限り、ケアが続くこと」を挙げ、「障害のある人も地域で暮らしていることを頭の片隅に置いてもらったり、優しく見守ってくださったり、また少しでも知ってもらっていると思えることがすごくうれしいので、気軽に声を掛けていただける関係が広がれば」と呼びかけた。
最後は「障害のある人もない人もお互いを知り合う機会がたくさん必要だと思う。困っていることを吐き出し、一緒に生きていける関係づくりをこれからも長く続けていきたい」と締めくくった。
会場では医師らによるジャズ演奏や落語、子ども食堂なども行われ、幅広い世代が交流を楽しんだ。
写真上(クリックで拡大)=福知山市認知症の人と共に歩む会の立ち上げ宣言
写真下(クリックで拡大)=活動報告する田中会長(左)