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2025年09月18日 のニュース
土葬が主流だったころ、墓地まで運ぶ棺を納めた座棺用の「輿」。京都府福知山市雲原の寺谷区で保管されていることが分かり、今後使用されないため、地元の寺でお焚き上げをして“供養”することになった。 輿は神殿をかたどった神輿のような形状で、縦横約90センチ、高さ約140センチ。木製で、鳥居や擬宝珠など神社に関連が深い装飾がある一方、寺の建物に使われている火灯窓が見られる。
かつては野辺送りといって、埋葬地などへ遺体を送り届ける葬儀の一環の儀式があった。その際、遺体の膝を折り曲げて座らせるような姿勢で入れた棺を納めたのが輿だった。 地区内の墓地にある小屋が倒れかけているため、住民が見に行くと輿や棺を埋葬する穴を掘るための道具などが納められていた。40年以上使われておらず、残しておいても仕方がないが、畏怖の念から、廃棄物として処分するのも心苦しいと、中村龍市区長(67)らが龍雲寺の塩見徳哉住職(64)に相談。いったん寺で保管し、お焚き上げをすることにした。
地区の鎌田道嗣さん(78)によると、42年前の昭和58年(1983)10月に、母親が亡くなったときに使用したのが寺谷区では最後ではないか-という。今では火葬が主流となり、昭和後期から平成、令和にかけ葬儀のあり方が変わり、輿もすっかり忘れられた道具になっていた。 鎌田さんと中村区長は「葬式に使われていた道具なので、お焚き上げしてもらうことになり安心できます」と話していた。写真上(クリックで拡大)=このほど小屋から龍雲寺に運んだ写真中(クリックで拡大)=運び出された輿と長さ3・3メートルの担ぎ棒写真下(クリックで拡大)=穴を掘る道具
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