過去3番目の大型決算 物価高騰対策や人件費増 福知山市
2025年09月04日 のニュース
京都府福知山市は1日、2024年度の決算概要を発表した。一般会計は、原油価格や物価高騰対策、人件費や扶助費の増加が影響し、過去3番目の大型決算となった。翌年度へ繰り越す財源を除いた実質収支は約6億5991万円の黒字で、53年連続黒字を確保した。
財政の弾力性を示す経常収支比率は96・4%(前年度比2・7ポイント増)に悪化。収入に対する借金返済の割合を示す実質公債費比率は10・0%(同0・2ポイント増)、将来の借金の重さを示す将来負担比率も28・3%(同0・1ポイント増)となったが、いずれも財政破綻の恐れがある基準値には遠かった。
減税影響少なく寄付増 ー歳入ー
歳入は503億697万円で前年度比1・7%減。市税は個人市民税が定額減税の影響で減少した一方、法人市民税や固定資産税は増え、市税全体として120億1326万円(同0・9%減)。定額減税の減少分を地方特例交付金で一定程度補い、歳入全体として大きく減ることはなかった。
寄付金は5億5741万円で同71・8%の増。ふるさと納税は計2万4803件、企業版ふるさと納税は長田野工業団地立地企業などから計4件寄せられ、総額で2億3287万円増えた。
借金にあたる市債は47億9882万円で同14・2%の減。三和地域交流拠点施設整備事業や内水対策事業などの減少に伴い、大きく減らした。
大型事業完了で微減 ー歳出ー
歳出は495億7977万円で前年度比0・7%減。義務的経費は、公債費がほぼ横ばいだったが、人件費は人事院勧告に基づき約30年ぶりとなる高水準のベースアップを行ったことなどから、245億7379万円(同5・5%増)となった。
投資的経費は、23年台風7号災害に関連した事業の実施で災害復旧事業費が増加したが、中・北部地域共同消防指令センター整備事業など大型事業の完了などに伴い、普通建設事業費(単独事業)が減少し、81億9064万円(同11・1%減)。
基金残高は9・2億円減
貯金にあたる4基金の残高は災害復旧や物価高騰対策に伴う取り崩しで90億4千万円と、前年度から9億2千万円減。市債残高は全会計で824億4千万円。普通交付税で償還補助される額を除いた実質的な市債残高は372億4027万円で、市民一人あたりの負担分は4千円減の50万3千円の計算になる。
市民病院事業15年ぶりに赤字
企業会計は、水道・下水道事業がいずれも黒字を確保。一方、市民病院は患者数が増えたものの、人件費や医療材料費の高騰、診療報酬改定の影響も受けて収益が圧迫され、2009年度以来となる純損失を計上。大江分院は黒字だったが、病院事業全体で5673万円の赤字となった。
9特別会計は黒字が3会計、赤字が2会計、収支差し引きゼロが4会計となった。
決算認定案は8日再開の市議会9月定例会本会議に上程される。