水害・土砂・地震、複合災害を想定 関係機関連携し実践活動 市地域防災訓練 

2025年09月01日 のニュース

 台風接近に伴う水害や土砂災害、震度7の地震を想定した京都府福知山市地域防災訓練が31日、猪崎の由良川右岸河川敷を主会場に開かれた。市や消防、警察など防災関係機関と地域住民が本番さながらの訓練を通じて、災害時の連携強化と防災意識の向上を図った。

 防災の日(9月1日)に合わせて、市が例年取り組んでいる。コロナ禍や水害などの影響で平年通りの形で実施するのは6年ぶり。20を超える機関から約500人が集まり、炎天下、真剣な表情で訓練に臨んだ。

バス事故や家屋倒壊の傷病者救助

 地震による家屋倒壊を想定した訓練では、閉じ込められた人に「もうすぐ出られるから頑張れ」などと声を掛けながら、自衛隊や消防、警察が、電動のこぎりで屋根に見立てた板に穴を開けるなどして救出にあたった。

 土砂災害によるバス事故訓練では、緊迫感が漂う中、消防や警察、医療従事者ら関係機関が連携し、運転手や乗客25人のトリアージ、応急手当て、緊急車両での搬送までの流れを確認。下猪崎自治会の住民たちも土のうの設置や、初期消火訓練などに汗を流した。

 孤立した住民をヘリコプターでつり上げる救助などの訓練も次々と披露され、来場者が見守った。防災食の体験コーナーなども設けられ、市民が防災への理解を深めた。

 新型コロナウイルスに感染した大橋一夫市長の代わりに災害対策本部長を務めた前川二郎副市長は、閉会式で「本番さながらの緊迫感ある訓練でした。計画やマニュアルの確認、関係機関の連携強化は非常に重要なこと。本日の訓練内容を振り返り、課題を今後の防災計画の見直しなどに反映し、災害対応力をさらに高めたい」と述べた。

要支援者や地域に応じた訓練も

 市内各地域では、市職員が広域避難所47カ所の開設訓練、福祉避難所では災害時ケアプランを作成している要支援者の避難訓練が行われた。市全域では防災行政無線やメール配信を使った避難情報の伝達訓練も行われた。

 地域主体の防災訓練も各地で行われ、101自治会が実施し、参加人数は約4500人に上った。消火器の取り扱いや放水、避難など、地域の実情に応じた訓練が取り組まれた。

写真上(クリックで拡大)=バス事故でけがを負った乗客を運ぶ消防団
写真下(クリックで拡大)=電動のこぎりを使って倒壊家屋に穴を開ける自衛隊員ら

このエントリーをはてなブックマークに追加
京都北都信用金庫
大嶋カーサービス

 

「きょうで満一歳」お申し込み

24時間アクセスランキング

著作権について

このホームページに使用している記事、写真、図版はすべて株式会社両丹日日新聞社、もしくは情報提供者が著作権を有しています。
全部または一部を原文もしくは加工して利用される場合は、商用、非商用の別、また媒体を問わず、必ず事前に両丹日日新聞社へご連絡下さい。