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2025.08.20
厳しさと優しさの両立を イクボス研修会に管理職55人が参加
組織を変えるには、まず上司から

職場で子育てや介護などを応援する管理職「イクボス」をテーマとした研修会が18日、京都府福知山市駅前町の市民交流プラザで開かれた。NPO法人ファザーリング・ジャパン関西の櫻井一宇理事長(50)が講師を務め、管理職に求められる心得を解説した。
男性が育児へ関わることの利点に触れながら、男性の育休推進を通じて、誰もが働きやすい職場環境づくりを考えることの重要性を説明。人口減少が進む中、就活の調査では男子学生の8割が育休取得を希望しており、「優秀な人材確保や人手不足解消の一手にもなる」と呼びかけた。
管理職は部下を上からの目線で指示するのではなく、横から支える“支援職”としての役割を持つべきだと強調。部下の私生活にも目を配り、育児や介護、趣味活動など多様な事情に応じた相談や申請のしやすい環境を整えることが重要とした。
部下に対する配慮と厳しさのバランスについても触れた。「優しいだけではダメです。時には厳しく伝えなければならないこともある。しかし、信頼関係さえあれば、多少厳しいことでも部下は受け止めることができる」と述べ、日ごろからの信頼関係づくりの大切さを説いた。
イクボスの増加が企業や地域の活性化にも寄与すると指摘。管理職自身が笑顔と余裕を持って仕事に取り組むことで、部下は仕事に集中でき能力を最大限発揮できるだけでなく、組織全体の業績向上にもつながるとした。
「組織を変えるには、まず上司自身が変わることが必要。部下やその家族、地域、さらには社会全体が変わるきっかけになる」と締めくくった。
研修会は、子育てに理解のある職場づくりへの取り組みを進める福知山市が、イクボスの普及をめざして実施。市内の企業、団体、市の管理職55人が参加した。
写真(クリックで拡大)=イクボスの心得について解説する櫻井さん