2023年8月豪雨 被害の記録を後世に残す土砂災害碑を建立 蓼原自治会

2025年08月19日 のニュース

 京都府福知山市大江町蓼原自治会(仁張衛自治会長)は、2023年8月の台風7号による教訓を後世に残し、今後の防災に役立てようと、地区内に土砂災害碑を建立した。そばには福知山公立大学が作成した案内板も設置していて、記載する二次元コードから災害時の映像などが閲覧できる。

 台風7号は同年8月14日夜から15日にかけて記録的な短時間豪雨をもたらし、市内各地で河川が土砂や流木で詰まり氾濫。市全域で全壊10棟、半壊2棟、準半壊6棟、床上・床下合わせて約100棟が浸水した。特に大江地域は被害が大きく、蓼原地区でも複数箇所で土砂崩れが発生。道路寸断や孤立世帯が生じた。

 仁張自治会長(69)は「台風7号はまさかの災害でした。これまで洪水被害の多い地域であったことから、川の様子ばかりを注視していたのですが、突然『後ろから』土砂が押し寄せて来たんです」と当時を振り返る。

 こういった被害を後世にも伝え、防災への意識を高めてもらおうと、同自治会が公立大の協力も得て、土砂災害碑の建立を決めた。

 作業は10日にあり、時折、強い雨が降る中、地元住民7人が土砂災害のあった地区内の道路沿いと蓼原公会堂そばに石碑を建てた。

 仁張自治会長は「災害を知る人たちはいつかはいなくなる。自分たちの孫やひ孫に災害の教訓を残すことができれば」と期待を込めた。

教訓生かし防災に備えるリーフレットを公立大が作成

 公立大学の地域防災研究センター(水口学センター長)は、有志の市民らと共に防災リーフレットを作成した。台風7号災害当時の市内外の状況や住民たちの声をまとめたもので、同センターのホームページで公開している。

 リーフレットはA4判の三つ折り。短時間で局地的に激しい雨が降る「急襲型豪雨」の特徴や身の回りの防災を再確認できるチェックシートなども載せている。

 水口センター長(63)は「長い歴史をたどると、災害は繰り返し起きています。過去の災害を記録に残し、教訓として残せることはよいこと。ぜひ役立ててほしい」と話している。

 

写真上(クリックで拡大)=石碑を建てた住民ら
写真下(クリックで拡大)=大学が作成したリーフレット

このエントリーをはてなブックマークに追加
京都北都信用金庫
大嶋カーサービス

 

「きょうで満一歳」お申し込み

24時間アクセスランキング

著作権について

このホームページに使用している記事、写真、図版はすべて株式会社両丹日日新聞社、もしくは情報提供者が著作権を有しています。
全部または一部を原文もしくは加工して利用される場合は、商用、非商用の別、また媒体を問わず、必ず事前に両丹日日新聞社へご連絡下さい。