大阪気象台長表彰受ける 市治水記念館、地域防災力向上に貢献
2025年08月02日 のニュース
水害の歴史、防災対策の大切さを伝える京都府福知山市下柳町の市治水記念館が、大阪管区気象台長表彰を受けた。夏場の異常な高温化、毎年のように国内のどこかで起こる水害など、気候変動に伴う災害が頻発するなかで、地域防災力の向上に貢献したとして選出された。
治水記念館は、1880年(明治13年)に建てられた由良川沿いにある元呉服屋の町家で、1953年(昭和28年)の台風13号などにより、何度も水害に遭った過去がある。国交省福知山河川国道事務所と市が整備し、2005年3月にオープンした。
水害の歴史を振り返るパネルや防災対策に関する資料のほか、洪水時に家財道具などを守るため、滑車で階上へ上げる「タカ」と呼ばれる仕掛けがあり、荷物の上げ下ろしも体験できる。市が運営しており、年間で約3千人ほどが訪れている。
表彰式は7月31日に同館であり、代理として京都地方気象台の野村武司台長と大橋一夫市長らが出席した。
野村台長は「単なる展示にとどまらず、効果的に体験や映像を組み合わせ、災害への備えの重要性について啓発を行っていただいている。水害のリスクが高まっているなかで、治水、防災意識の向上に寄与された功績は大きい」とたたえ、大橋市長に感謝状を手渡した。
大橋市長は「暑い日が続き、気候変動が激しく進んでいることを感じています。また水害も毎年、全国各地で甚大な被害が出ているなか、この施設を活用して治水、防災意識を高めていくことが必要です。この表彰を契機に思いを強く持ち、一体となって防災力の強化に努めていきたい」と伝えていた。
写真(クリックで拡大)=感謝状を手に記念撮影する大橋市長(左)と野村京都地方気象台長