手厚い世話を受け悠々と 動物園で暮らす長寿の人気者たち

2025年08月13日 のニュース

 京都府福知山市猪崎にある三段池ラビハウス動物園(二本松俊邦園長)には、長寿の動物たちが元気に暮らしている。職員から手厚い世話を受けながら、寿命を延ばし、園の人気者として親しまれている。

 動物園は市が1978年に開園。北近畿唯一の動物園で、餌やり体験や触れ合いなどができる園として、多くの人が訪れる。

 園では5月末現在、鳥類31種74羽、獣類30種247匹を飼育。レッサーパンダやシロテテナガザル、ニホンザルの「ミワ」とイノシシの「ウリボウ」とのコンビ、おしゃべり上手のオウムの仲間キバタンなどがよく知られている。

 園での飼育は閉ざされた環境ではあるが、動物たちにとっては、餌を探す心配がいらず、健康状態の観察も行われることから、自然の中で暮らす動物たちと比べ、おのずと寿命が長くなるという。

最長老は50歳超 3匹のフラミンゴ

 一番の長寿はベニイロフラミンゴとチリーフラミンゴで、開園当初からいる。フラミンゴの中でも大型で、全身が濃いめのオレンジ色をしていて美しい。

 園では当初合わせて6羽を育ててきたが、現在残っているのはベニイロが2羽、チリーが1羽。飼育舎内には別のヨーロッパフラミンゴが5羽いて、みんなで仲良く暮らしている。フラミンゴは集団で行動するのを好むため、舎内には大きな鏡を設置。仲間がたくさんいるように見えることで、落ち着くという。

 飼育下での平均寿命は約40年。園のベニイロとチリーは園に来た当時の年齢が5歳程度だったため、今は50歳を超えているとみられる。

 二本松園長は「歩く姿がゆっくりで、大変美しく、日々来園者の熱い視線を浴びています。今後もストレスを与えないように育てたい」と話す。

菓子パン大好きツキノワグマ

 国内各地の市街地でも目撃例が増え、“危険”な動物として恐れられているツキノワグマ。園にいるのは「クマゴロウ」という名前の雄グマで、推定年齢は15歳とみられる。自然界での寿命は15年~20年とされる。

 生後3カ月で親とはぐれ、宮津市・天橋立周辺を歩いていたところを保護され、2010年に園に連れてこられた。この時の体重は10・5キロだった。

 以前飼われていたツキノワグマの「ゴン太」が暮らしたおりの中で飼育。最初は飼育員が抱くこともあったが、爪が伸びてきたあとは、触れることができなくなった。

 食欲旺盛で、果物などを好んで食べるが、特に菓子パンが好き。野菜はあまり好きではなく、来園者が遠隔装置で与えるパンなどは食べる。

 夏場は暑さが増すと、おりの中にある深さ1メートルほどのプールに入り、体を冷やす。寝床に入る時は自分で扉を閉める。ゴン太もこの動作をした。現在体長は約1・3メートル、体重は約100キロ。病気もせずいたって健康という。

 二本松園長は「来た時は小さかったけど、今やびっくりするほど大きくなりました。すごく賢く、おりの中で悠々自適に暮らしています」と目を細める。

ものまね上手のインコは44歳

 ものまね上手のキエリボウシインコも長く生きている。雌の「ローラ」で、もともとは山口県内で飼育されており、2013年に仲間入りした。

 キエリボウシインコの寿命は、40~50年と言われ、ローラは現在44歳。普段は事務所内のかごの中で育てられているが、暖かい日には外に出して公開している。「おはよう」や「こんにちは」のほか、自分の名前も言う。また人の泣き声や笑い声をまねる。

 二本松園長は「以前と比べて少しやせたような気がします。ストレス発散のため、かごに敷かれた紙をくちばしで破ることもあります。もっと多くの言葉を覚えてほしいですね」と笑う。

 園では日々、職員たちが他の動物園での飼育方法を研究したり、餌の内容や動物たちの住環境などについて知識を深めている。二本松園長は「動物たちが一日でも長く生きられるよう、飼育員みんなで愛情込めて育てています」と話す。

写真上から(クリックで拡大)

・開園当初からいるベニイロフラミンゴとチリ-フラミンゴ。仲良く3羽で歩く
・おりの中でゆっくりと歩くツキノワグマの「クマゴロウ」
・事務所のかごの中で暮らすキエリボウシインコの「ローラ」
・動物たちが長生きするよう、職員の手厚い飼育が続く

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