丹波漆の魅力を世界へ伝える展示、連日盛況 大阪・関西万博

2025年07月06日 のニュース

 京都府福知山市は6月23~29日の7日間、大阪市此花区夢洲で開催中の「大阪・関西万博」に、夜久野町に残る伝統文化「丹波漆」を出展した。会場では漆の採取道具や漆芸品などを展示したほか、金継ぎの実演、漆掻きのライブ中継も実施。連日多くの人が訪れて関心を集めた。

 展示は「関西パビリオン京都ゾーン」にブースが設けられ、漆掻きに使う鎌やヘラ、漆筒などの道具に加え、漆芸品も並べた。市役所夜久野支所の職員が現地に常駐して展示品などの解説を行い、漆は植樹から採取まで10年かかること、1本の木から200ミリリットルほどしか採れないことなどを聞いた来場者からは驚きの声が上がった。

金継ぎを実演漆掻きは生中継

 23、24両日には、夜久野町平野の「市やくの木と漆の館」の職員が会場で金継ぎを実演。市文化財に指定されている土器の破片を、漆を使って丁寧に修復する様子に、多くの人が見入った。

 また、最後の2日間は万博会場と同町日置の植栽地をオンラインでつなぎ、漆掻きの様子を生中継。NPO法人丹波漆の理事で、漆掻き職人の山内耕祐さん(37)が、木の皮をはがし幹に傷を入れてから漆を採取するまでを実演した。終了後には会場にいる人から質問も出され、山内さんとやり取りする場面も見られた。

 山内さんは「万博という多くの人に見てもらえる場で漆掻きを披露させていただけたことに感謝の思いでいっぱいです。今後も伝統を守り続けられるよう頑張っていきたい」と話していた。

地元住民も知識蓄え現地でサポート

 丹波漆の万博出展に合わせ、地元の伝統文化を世界に伝える手伝いができたら-と、住民組織の夜久野みらいまちづくり協議会の会員も、期間中、万博会場を訪れてサポート役を務めた。

 会員たちは漆について、来場者に正しい情報を分かりやすく伝えられるようにと、2月ごろから研修をして知識を蓄えてきた。会場には一日2、3人ずつ、5日間で10代~50代の計11人が立ち、会場を訪れた人たちに漆の魅力をアピールした。

 サポート役を務めた須藤真司さん(46)=同町水坂=は「父がウルシを育てていたこともあり、以前から丹波漆に関わることのお手伝いができたらと考えていました。それが万博という場で実現し、とてもうれしかったです。住民目線の丹波漆の魅力を伝えることができたと思います」と話していた。

 

写真上(クリックで拡大)=会場には多くの人が訪れた(市提供)
写真下(クリックで拡大)=夜久野町の植栽地で漆掻きを実演する山内さん(6月28日)

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