神戸繁華街で「命のバトン」 市民病院看護師・柳樂さん、胸骨圧迫で心肺停止の男性救う 

2025年06月26日 のニュース

 神戸市中央区の繁華街で心肺停止となった50代男性の命を救ったとして、京都府福知山市の市立福知山市民病院に勤務する看護師・柳樂文恵さん(51)が25日、神戸市中央消防署から感謝状を受けた。柳樂さんは迅速で的確な胸骨圧迫(心臓マッサージ)など適切な処置を施し、現場に居合わせた約10人の連係プレーで男性は助かった。

 発生は4月5日午後6時ごろ。家族と三宮・元町を訪れていた柳樂さんは、通りの向かい側で人が倒れているのを目にした。最初は「酒に酔っている人かと思った」が、周囲が慌ただしく動き出した様子に異変を感じ、すぐさま駆け寄った。

 男性の容体を確認すると、脈も反応もなかった。「すぐに救命処置が必要」と判断。ためらうことなく胸骨圧迫を始めた。通りかかった臨床工学技士と交互に続け、近くの元町駅から運ばれたAED(自動体外式除細動器)による一度の電気ショックで、心拍が回復したという。

 現場では、119番通報、AEDの確保と搬送、声掛けなどに約10人が自然に動き、見事に役割を分担。「命のバトン」が確実に引き継がれた。

 救急車で神戸市内の病院へ搬送された男性は、4月下旬に無事退院した。

現地消防署から署員訪れ感謝状

 25日には神戸市中央消防署の署員2人が市民病院を訪問。「救命の連鎖がきれいにリレーされ、人命救助につながった。胸骨圧迫の技術も素晴らしかった」とたたえて感謝状を手渡した。

 柳樂さんは「体が勝手に動いていた。救急車が来るまで何としても命をつながなくては、という思いでした」と振り返る。

 感謝状については「私に限らず、市民病院のスタッフなら誰でもできる当たり前のことをしただけ。本当に恐縮です」と謙虚に語った。

 

写真(クリックで拡大)=感謝状を受けた柳樂さん(中央)

このエントリーをはてなブックマークに追加
京都北都信用金庫
大嶋カーサービス

 

「きょうで満一歳」お申し込み

24時間アクセスランキング

著作権について

このホームページに使用している記事、写真、図版はすべて株式会社両丹日日新聞社、もしくは情報提供者が著作権を有しています。
全部または一部を原文もしくは加工して利用される場合は、商用、非商用の別、また媒体を問わず、必ず事前に両丹日日新聞社へご連絡下さい。