忘れ傘に新たな命吹き込む 絵を描き地域で共有傘として再活用 公立大生が企画
2025年06月16日 のニュース
雀部小児童らとワークショップ
放置されたビニール傘を有効活用するワークショップ「わすれカサおえかきレスキュー隊」が14日、京都府福知山市前田の雀部小学校体育館で開かれた。主催したのは福知山公立大学の学生たちで、地元の雀部バレーボールクラブに所属する児童とその家族計15人ほどが参加。ビニール傘に思いおもいの絵を描き、捨てられるはずだった傘に新たな命を吹き込んだ。
ワークショップを企画したのは地域経営学部4年の疋田雄誠さんと栗原乃愛さん。疋田さんたちはゼミ活動の一環で、本来は捨てられるはずの製品に新たな価値を与える「アップサイクル」について研究している。
現在は、ほかの学生たちの協力も得ながら、大学に置き忘れられた傘を回収して地域の共有傘として再活用する「まちのひとカサプロジェクト」を進めている。ワークショップはその一環で実施した。
初めにクイズ形式で、国内で消費される傘は年間1億2千万本にのぼること、そのうち約7千万本がビニール傘といったデータを紹介し、傘の再活用がごみを減らし、環境保全にもつながることを伝えた。
作業に移ると、子どもたちは油性マジックを使って傘のビニール部分に好きな模様や動物を描いたり色を塗ったりして、自分の好きなデザインに仕上げていった。
友人と参加した日新中学校2年の女子生徒は、「透明な傘だと内側からもデザインが透けて見えるのでかわいい。楽しめて環境にも優しいので一石二鳥だと思いました」と話していた。
アート傘は6月中に20本の完成をめざしていて、広小路商店街に共有傘として置き、誰でも使えるようにする。
疋田さんは「子どもたちが楽しんでくれてよかったです。環境について少しでも意識する機会にもなったかと思うので、今後は大人を対象にしたイベントを開くなど活動の幅を広げていきたい」と意欲を語った。
写真(クリックで拡大)=ビニール傘に絵を描く子どもたち