榎峠トンネル貫通 難所解消までもう少し 来年度末の完成めざす

2025年06月09日 のニュース

 京都府福知山市と兵庫県丹波市を結ぶ国道429号の榎峠トンネル(仮称)が貫通し、施工業者主催の式典が8日、坑内で開かれた。事業主体の両府県や地元住民ら関係者が府県境で合流し、「難所解消までもう少し」と期待を膨らませた。

 榎峠は急カーブが連続し、道幅も狭く難所だったが、安心安全な交通の確保や地域間の交流連携を促進するため、総事業費約70億円(うち府約36億円)を投入し、2020年度から京都府と兵庫県が道路改良に取り組んでいる。

 福知山市談から丹波市青垣町中佐治間の2・4キロをバイパス化するもので、このうち約1キロが榎峠トンネル。掘削は府側が昨年7月8日に着手し2月17日に府県境に到達。県側は昨年8月30日に取り掛かり、4月24日に到達した。

 式典を主催したのは京都側の「大林・鶴美・マルキ特定建設工事共同企業体」と、兵庫側の「森・中村・宇都宮特別共同企業体」。両府県側の関係者約220人が出席した。

 両府県の副知事らが、模擬の発破を点火。その後、それぞれの担当職員が貫通を報告すると、出席者から大きな拍手が送られ、これまでの工事の無事を祝ったほか、国会議員や親子3世代の家族らが貫通点をめざして歩いて通り初めをした。

 鈴木一弥・府副知事や服部洋平・県副知事は「開通したら、両エリアがお互いに通じ合って、こうして顔が見える関係を続けていける」「貫通を多くのみなさまとともに確認し、喜びを分かち合うことができた。今後の工事の安全と、一日も早い全線開通を誓います」とあいさつした。

 親子3世代で出席した男性(64)は「地元の長年の要望だったので、きょう貫通式を迎えられ、非常にうれしい」と目を細め、男性の孫の女児(11)も「すごく完成が楽しみです」と笑顔を見せた。

 完成は2026年度末の予定。開通すれば、両市間の所要時間は約15分短縮される。


写真(クリックで拡大)=榎峠トンネル内の府県境で、貫通を喜ぶ地元住民ら

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