運用開始のマイナ免許証って? メリットと注意点まとめ
2025年04月25日 のニュース
3月24日から運用が始まったマイナンバーカードと運転免許証を一体化させた「マイナ免許証」。従来の免許証の発行も可能で、「従来の免許証のみ」「マイナ免許証のみ」「両方」の3つの保有方法を選べる。マイナ免許証とはどういうものなのか。調べてみた。
手続きワンストップ オンライン講習可に
マイナ免許証のメリットは大きく二つある。
一つ目は住所、氏名の変更手続きがワンストップ化されること。引っ越しや結婚などで住所が変わる場合、これまでは自治体と警察双方へ届け出が必要だったが、警察への変更届け出が不要となる(両方持ちの人は対象外)。
二つ目は更新時講習をオンラインで受講できること。優良運転者講習と一般運転者講習に限られるが、マイナンバーカード所持者向けのサイト「マイナポータル」を活用して、24時間いつでも受講ができる。ただし、視力検査や写真撮影などは従来通り警察署などで行う。また、オンライン講習はマイナ免許証を発行したあとの更新で利用できるため、取得前の最初は対面で講習を受ける必要がある。
このほか、住所地以外の免許センターでできる更新手続き(経由地更新)が迅速化され、申請可能期間も延長される。
さらに、運転免許更新手数料が安くなる。運用前は2500円だった更新手数料は、マイナ免許証のみは2100円で、従来の免許証のみは2850円、両方持ちは2950円となる。また、更新を待たずにマイナ免許証を作ることができ、その場合の費用は1500円。新規取得時の手数料もマイナ免許証のみの方が安くなる。
再発行期間が長いなどデメリットも
メリットが多い一方で、注意点もいくつかある。大きいのは再発行までの期間。免許証を紛失した場合、従来の免許証では即日発行が可能だったが、マイナ免許証の場合は、自治体でマイナンバーカードの再交付手続きが必要で、少なくとも1週間ほどはかかり、その間運転ができなくなる。
また、運転免許証の内容が、マイナンバーカードの券面に表記されず、専用アプリなどを利用して確認する必要がある。マイナンバーカードとマイナ免許証の有効期間もそれぞれ違うため、有効期限切れに注意しないといけない。
ほかにも海外で運転する際に、渡航先によって従来の免許証が必要になる場合があったり、マイナ免許証非対応のレンタカー会社があったりなどのデメリットもある。
マイナ免許証を利用するためには、マイナンバーカードのICチップ内に免許情報を記録する必要があり、手続きの際には、マイナンバーカードと署名用電子証明書のパスワードの準備がいる。
また福知山市内の人で、保有形態をマイナ免許証のみにする場合は、これまで通り福知山署で手続きができるが、従来の免許証と両方持つ場合は、運転免許試験場がある京都市内で行う必要がある。
同署は「それぞれの保有形態でメリット、デメリットがあるので、手続きの前にしっかりと確認をしてもらって、自分の生活スタイルにあったものを選んでもらえれば」と話す。
また、警察庁が今秋までにシステム改修を予定しているが、現在はマイナンバーカードを更新するとマイナ免許証の情報は引き継がれず、再度一体化の手続きが必要となる。同署は「近くマイナンバーカードの有効期限を迎える人はマイナンバーカードの更新後にマイナ免許証の手続きをしてもらえれば」と呼びかけている。
21日に免許の更新手続きを行い、両方持ちを選択した市内の男性(65)は「オンライン講習などが便利で、当初はマイナ免許証のみにしようと思っていましたが、説明を聞くうちに1枚のみにするのは不安で、免許を持っている実感も湧き、様子見で2枚持つことにしました。ただ、京都市内まで行かないといけないのは大変で、システムなどもどんどん改善されていくと思うので、ゆくゆくはマイナ免許証1枚にしようかと考えています」と話している。
手数料が安くなったり、オンライン講習ができたりと便利なマイナ免許証だが、まだ過渡期にあり、注意すべきこともある-というのが現状といえる。3つの保有方法をどうするか。悩みどころだ。
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