養泉寺の「ロケット桜」1カ月遅い開花 梅の花と美を競い合う
2025年03月24日 のニュース
丹波の萩寺として知られる京都府福知山市中の臨済宗南禅寺派・養泉寺(一常宗圓住職)で、ヒカンザクラが咲き始めた。例年より1カ月ほども遅い開花で、同じく開花が遅い梅の花と美を競い合っている。
ヒカンザクラは、1991年に宇宙航空研究開発機構(JAXA)の内之浦宇宙空間観測所(旧文部省宇宙科学研究所鹿児島宇宙空間観測所)から贈られたもので、「ロケット桜」の愛称で親しまれている。
観測所は、同寺がハギで有名な寺であることをテレビ番組で知り、観測所でハギを育てたいと寺に苗の提供を依頼し、数株を譲り受けた。これに対して観測所からはヒカンザクラの苗10株を返礼として贈った。
同寺では、一常玄裕・前住職(70)がこのヒカンザクラを丹精込めて育ててきた。その後、古くなり枯れるなどして4本に減ったが、毎年2月になると開花し、美しい姿を見せる。
花は釣り鐘状で、下向きに咲くのが特徴。今年はようやく1週間前に咲き始めた。寺の下にある駐車場の山際の1本は枝のあちこちで、かれんなピンク色の花が開いている。
玄裕・前住職は「開花の遅れは、冬の寒さが長引いたせいでしょう。現在境内では、マヤコウバイ、ハクバイなどの梅の花が満開で、今の時期に桜と梅が一緒に楽しめるのは珍しい」と話している。
今月いっぱいが見ごろという。
写真(クリックで拡大)=枝のあちこちで開花するヒカンザクラ(21日)