数々の陸上好記録生んだ桃映中グラウンド 54年の第4種公認満了

2024年08月29日 のニュース

 第4種陸上競技場として、54年間にわたり日本陸上競技連盟(日本陸連)公認だった京都府福知山市立桃映中学校グラウンド=北小谷ケ丘=の公認期間が、7月末で満了した。市内唯一の公認陸上競技場はなくなるが、市は新たに荒河地区で「全天候型公認陸上競技場」を整備する計画(完成時期未定)。陸上競技団体関係者は、数々の主催大会で使用してきた桃映中グラウンドに感謝するとともに、新施設の早期完成に期待している。

 公認の陸上競技場は第1種から第4種まであり、1周の距離やレーンの幅、補助競技場の有無などで分類され、5年に一度の更新が必要になる。公認競技場で開かれた大会の記録は公式記録として認められるが、それ以外の競技場の場合は参考記録となる。

 公認申請を行ってきた市文化・スポーツ振興課によると、同校グラウンドは1970年、日本陸連公認の第4種陸上競技場になり、85年には跳躍場(走り幅跳び、三段跳び、棒高跳び)の全天候助走路が完成。小中学生の市陸上競技大会や市クラブ対抗陸上競技大会、三丹陸上競技選手権大会などが行われてきた。

 桃映中グラウンドは1周300メートルで、トラックは計8レーンあり、レーンの幅は1・25メートル。日本陸連のルールブックで、これまではレーンの幅「1・22メートルから1・25メートル」が公認条件だったが、国際基準の「1・22メートル」に変更され、公認条件を満たすにはグラウンドの大幅な改修が必要になった。

 市は改修に多くの費用がかかることや、新たにサッカーやラグビーなどができる全天候型公認陸上競技場の整備をめざしていることなどから、今回の公認申請を見送った。

 市陸上競技協会によると、全国的にはポリウレタンなどが使用された全天候型舗装で、1周400メートルの陸上競技場が主流になっている。土のグラウンドの場合は大会が雨天で中止になることがあり、全天候型施設は記録も伸びる傾向にあるという。

 こういったことに加え、ライン引きなどの作業や駐車場不足などを考慮し、近年では多くの主催大会を、全天候型で第2種公認陸上競技場になっている京丹波町の「府立丹波自然運動公園」で実施している。

 市陸協の中川清人会長は「歴史と伝統がある桃映中グラウンドに感謝しています。府中学生記録やそれに迫る記録が出たこともあり、ここで競技した選手が全国で好記録を出したこともあります。引き続き桃映中グラウンドを利用する大会もありますが、今後は新しく整備される競技場で頑張ってもらいたい」と話している。

 

写真(クリックで拡大)=これまで多くの陸上大会が開かれてきた桃映中グラウンド

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