400年続く「戸渡しの儀」 三俣の生野神社で宮当番交代
2023年01月25日 のニュース
京都府福知山市三俣の生野神社で、宮当番の引き継ぎに伴う神事と戸渡しの儀が22日に営まれた。ご神体と歴代当番の名前を記した巻物「おとじょうさん」が、旧当番筆頭から新当番筆頭の荒田知さん(56)に手渡された。
地区全体の宮講で、江戸時代の1600年代後半に始まったとされ、400年以上の歴史がある伝統行事。宮当番は、三俣地区115戸のうち、毎年10戸が順番に担当している。
神社の祭りの準備、境内の掃除や雪かきなど世話全般を1年間請け負うほか、筆頭はおとじょうさんを自宅内の神床に置き、毎朝水や塩、洗米を供える「お勤め」をすることになっている。
昨年と一昨年は、新型コロナウイルスの影響で、人数制限をしていたが、今年はこれを撤廃し、神事には氏子80人ほどが出席。神官の林秀俊・大原神社宮司(66)と自治会長、新旧の宮当番が拝殿に上がり、祝詞奏上(のりとそうじょう)や玉串奉奠(たまぐしほうてん)などをした。
引き続き神社そばの三俣生活改善センターに移り、戸渡しの儀が行われた。多くの住民らが見守るなか、旧当番筆頭の西田敏祐さん(55)から、荒田さんに「おとじょうさん」が託された。
このあと西田さんが、1年間の住民らの協力に感謝を述べ、荒田さんは「大役を仰せつかることになりました。みなさまの力添えで、1年間無事に勤めたい」と力強くあいさつし、支援を呼びかけた。
写真=厳かに行われた戸渡しの儀