きょう小寒 良質の和紙作りに最適期
2023年01月06日 のニュース

6日は二十四節気の「小寒」。寒さが厳しくなるころとされる。けさの京都府福知山市の最低気温は1・3度(午前5時45分)で、平年と比べ1・2度高く、3月上旬並みとなった。京都府無形文化財「丹後二俣和紙」を唯一守り、手漉(す)き和紙作りを続ける大江町二俣一、田中製紙工業所では、厳寒期に行われる「寒漉き」作業が進められている。
冬の低温の時期は、漉きぶね(水槽)の水に雑菌が繁殖しにくい。また、原料のコウゾの繊維を分散させる役目があるトロロアオイの粘りが長持ちし、良質の紙を漉くのには最適とされるため、毎年寒い中で寒漉きに取り組んでいる。
今年は4日に始めた。田中製紙5代目の田中敏弘さん(61)が、地下水を張った漉きぶねの中に、コウゾの繊維とトロロアオイの粘液を入れ、簾桁に液をすくって漉いていく。
「ジャブ、ジャブ、ジャブ」と音を立てて、簾桁を上下、左右に動かし、集中して進めていく。年末年始は比較的穏やかな天候だったが、地下水は冷たく、時折ストーブで温めた湯に手を浸し、作業に励む。
田中さんは「手がかじかみますが、この時期は液に粘りが利いて、安心して作業ができます」と話している。
写真=リズミカルに簾桁を動かす田中さん(6日午前9時10分ごろ)