卸売市場に威勢良い掛け声 「公設」で最後の初競り
2023年01月05日 のニュース
京都府福知山市厚中問屋町の市公設地方卸売市場で5日朝、2023年の初競りがあった。場内に競り人の威勢の良い掛け声が響き渡るなか、小売店主らが地元産の野菜や兵庫県丹波市の果物、花を競り落とした。
公設市場は1981年に市が開設。府北部の消費者へ、安心安全な食材を提供する施設として運営を続け、今年で42年目を迎える。近年は、過疎高齢化の進行により、出荷農家や買受人が減少。長年、指定管理者制度で運営してきたが、市は4月からの民営化に向けて手続きを進めている。
初競りを前に午前6時25分ごろからセレモニーが行われた。市場を開設する福知山市の西畑信寿産業政策部理事(53)は物価高騰などに触れ、「卸売業務を担ってもらっている福知山合同青果株式会社、買受人のみなさまには厳しい経済情勢のなかで、多くのご苦労があると思いますが、当市場の活性化に引き続きご協力をお願いしたい」とあいさつした。
続いて、福知山合同青果の野田正嗣取締役営業部長(43)があいさつし、「市場を取り巻く環境は年々厳しくなっていますが、今年も更なるサービス向上に努めていきます」と話した。
このあと、初競りが始まった。新鮮なダイコンやキクナ、コマツナ、カブラ、サツマイモなどが並び、約10人が買受人が品定めをしたあと、次々と競り落とした。野田取締役営業部長によると、雪の影響が少なく、例年通り高品質な野菜が出荷されているという。
アオイ通りで山中青果店を営む山中敏弘さん(80)は「店はきょうから通常営業です。平均して白物野菜が出ていて、相場価格でした。生産者が減っていますが、出荷量が増えることに期待したい」と話していた。
写真=初競りで次々と競り落とす買受人たち(5日午前6時40分ごろ)