元伊勢内宮で能「翁」を奉納 日本芸術文化戦略機構
2022年10月27日 のニュース

一般社団法人日本芸術文化戦略機構は26日、京都府福知山市大江町内宮の元伊勢内宮皇大神社で能を奉納した。機構の理事長で、シテ方宝生流能楽師の辰巳満次郎さん(62)らが境内の神楽殿で「翁」を上演した。
機構は2020年2月に、「日本文化は世界を救う」との思いで設立。雅楽や能、狂言など、あらゆるジャンルの伝統芸能を広める活動を繰り広げる。能などの奉納も国内の寺社、仏閣で行い、その様子をユーチューブなどで公開している。
翁は天下太平、五穀豊穣をことほぐ儀式的な演目で、新年や舞台開きなど祝賀の際に演じられることが多い。
翁を務めた辰巳さんは途中で面をつけ、笛や小鼓の演奏、地謡に合わせて、しなやかで力強い動きを見せた。
機構の会員や一般の参拝者ら約30人が鑑賞。古典芸能の世界に浸った。大江町尾藤口の藤田修市さん(77)は「厳かな感じで大変良かった。能は神社での上演がぴったりで、立って鑑賞していましたが、足の痛さも忘れて見入ってしまいました」と話していた。
■空を舞う龍の創芸画を奉納■
この日は機構の会員で創芸画家の矢崎悠美さん(51)が、内宮神社に絵画1点を奉納した。
シルクの布を和紙で裏打ちして切り抜いたものを使い描写する創芸画で、内宮境内にある龍燈の杉にちなみ、空を舞う龍をデザインしている。
写真=神楽殿で能を上演する辰巳さんら