JR西日本が組織再編 福鉄局継いだ福知山支社の看板消える
2022年10月02日 のニュース

JR西日本の地方組織再編で福知山支社が名称変更され、1日から近畿統括本部福知山管理部(宮本芳明副本部長・部長)になった。京都府福知山市、福知山駅北口側にある社屋の看板も変わり、社員が今までの5分の1に削減されての新体制が始まった。
同社は、新型コロナウイルス禍による利用低迷で、2022年3月期連結決算で1131億円の純損失を計上し、2期連続で赤字となった。今回の再編は業績悪化を受けた構造改革の一環で、管理系部署が大幅にスリム化された。
旧福知山支社では総務、経理、人事部門を主に大阪市の近畿統括本部に集約され、地域の窓口となる部署が主に残った。社員は約100人から約20人に減った。
支社管内の乗務員や駅員、保守点検など鉄道運行に必要な現場スタッフらはこれまで通り1千人超で維持する。
旧福知山支社は1987年の国鉄民営化に伴い、全国で27カ所しかなかった旧国鉄鉄道管理局の流れをくんで88年に発足した。山陰線、福知山線、京都丹後鉄道が結節する福知山駅を中心とした北近畿の鉄道の要衝にあり、「鉄道のまち」ともいわれる福知山市のシンボル的な存在だった。
旧国鉄時代から働いていた元JR社員(81)は「支社として存続してほしかったが、国鉄と違い、今は民間企業で、厳しい情勢を乗り切るためにやむを得ない判断だったのだろう。新型コロナウイルス禍で受けたダメージを回復し、再び福知山に支社を戻してほしい」と話していた。
写真=福知山支社時の看板(上)と、取り替えられた管理部が入る社屋玄関口の看板