聴覚障害者が安心して鉄道を使えるようJR福知山と意見交換
2022年09月16日 のニュース

京都府福知山市内の聴覚障害者団体や支援サークルでつくる「福知山ネットワーク」(古高春美代表)は、安心して鉄道が利用できるように、JR西日本福知山支社とこのほど意見交換をした。メンバー5人が福知山駅を訪れ、モニター越しにオペレーターとやり取りできる券売機を使い、乗車券を買う体験もした。
聴覚障害のある人には、電車が停車したときの放送が聞こえず情報がすぐに伝わらない。駅員が対応する「みどりの窓口」も全国的に減らされており、券売機の使い方がわからないときにどうすればよいか-などの不安がある。
これらの解決に向け、ネットワークが福知山支社に相談し、意見交換会が実現した。8月に最初の会合を開き、9月は2回目。
福知山駅には「みどりの券売機プラス」が設置されている。当事者たちは駅員らに教わりながら、オペレーターとのやり取りを体験。メモ用紙を使った筆談で乗車券を購入した。「行き先、日付、人数などをまとめて書けるシートなどがあれば助かる」「『筆談お願いします』などと書かれたカードがあればスムーズになる」といった意見が出された。
また、電車の運行の遅れ、取りやめとその理由などがリアルタイムで確認できるJR西日本公式アプリ「WESTER」についても説明を受け、アプリの入ったタブレット端末で使い方を確かめた。
最後は福知山支社内で、支援策を体験した上での意見交換をした。学んだことや要望したことなどは、ネットワークのほかのメンバーたちにも伝える。
古高代表は「券売機の対応は時間がかかること、一方でアプリではすぐに情報が得られることなどがわかり、きょうはとても勉強になりました。より使いやすい環境が整備されればうれしいです」と期待していた。
福知山支社総務企画課は「福知山支社として、こうした意見交換は初めてです。得られたことなどは本社に伝えたい」と話していた。
写真=聴覚障害の当事者がオペレーターとのやり取りを体験した