毛原の棚田で3年ぶりに稲刈り体験会 親子連れら50人で歓声
2022年09月12日 のニュース
約600枚の棚田が広がり、農林水産省の「日本の棚田100選」「つなぐ棚田遺産」に認定されている京都府福知山市大江町毛原で、稲刈り体験会(毛原の棚田「体感」ツアー実行委員会主催)が11日に開かれた。昨年、一昨年は新型コロナウイルスの影響で中止となったため、3年ぶりの開催。親子連れら約50人が秋空の下、豊かに実った稲を刈り取り、収穫の喜びを味わった。
毛原地区では近年、高齢化いよる不耕作地が増え、田んぼの維持が困難になっている。そこで地元住民が棚田の景観を守る取り組みを進める一方で、地区外の人にも農村に関心を持ってもらおうと、毎年田植えと稲刈りの体験会を開いている。
田植え体験会もコロナで中止となっていたが、5月に3年ぶりに実施された。
稲刈り体験会は、酒米五百万石を植えた田んぼ8枚(計約10アール)で行われた。参加者たちは一斉に田に入り、鎌を使って器用に刈っていった。
泥が残りぬかるんだ場所で、足を取られ尻もちをつく人もいたが、衣服の汚れを気にせず、作業に没頭。子どもに刈り方を教える父親の姿も見られ、トンボが飛び交う初秋の自然を満喫していた。
刈った稲は地酒「大鬼」の原料として使われる。
惇明小学校4年の河野歩優さんは「最初は難しかったけど、やっていくうちにコツがつかめて、うまく刈れるようになりました。楽しかった」と喜んでいた。
実行委の松井美幸委員長(46)は「3年ぶりに田んぼへ子どもたちが戻ってきてくれて良かったです。来年は例年の参加者数の100人が来てもらえるようにしたい」と話していた。
写真=秋空の下で稲を刈る参加者たち