現物のドアを切ったり床壁に穴を空けたり 解体中のアパート使って消防が訓練
2022年08月13日 のニュース

京都府福知山市消防本部(水口学消防長)は、西本町の解体中のアパートを活用し、火災・震災時の対応訓練をしてきた。施錠されている鉄の扉をエンジンカッターで切断するなど、訓練施設ではない「生活の現場」ならではの経験を積んだ。
技術力向上や若手育成を目的に、解体予定の建物があれば、了承を得て訓練に取り組んでいる。
今回は8日から12日まで行い、約80人の消防隊員が参加。閉じられたドアをエンジンカッターで開ける火災対応訓練と、要救助者がいる設定で、ドリルで床や壁に穴を開ける震災救助対応訓練をした。
若手の隊員たちが鉄扉にエンジンカッターを縦、横、斜めに入れるたび、周囲に激しい火花が散る。ベテラン隊員から「力の入れすぎで刃が止まっている」「補強材を多く切らないよう意識して」などと指導を受け、技術を磨いた。
福知山消防署警備課警備第一係長の石田拓郎消防司令補は、「場数を踏んでいない隊員は、とにかく実際に物を切るという経験が大事で、貴重な機会をいただけた。実災害時の早期救出につなげていきたい」と話していた。
写真=エンジンカッターで扉を切る隊員