年間1勝の学童野球チームを強豪に育てた男性 「うまく褒める」こと説く
2022年06月23日 のニュース

福知山市野球協会(森下時彦会長)は18日夜、京都府福知山市猪崎の三段池公園にある市武道館で、「お母さんの野球教室」を開いた。学童野球の指導に携わり、年間成績1勝だったチームを強豪に育て上げた男性が、実践した指導方法、野球の楽しさを伝える大切さなどを話した。
市内の学童チームに所属する児童の母親を対象にした教室で、約50人が参加。講師は、学童野球指導のほか、大学卒業まで野球に打ち込んだボディケア会社・ファイテン(本社・京都市)の法人営業部、宮井隆行さん(39)が務めた。
前職のわかさ生活に勤務していた2005年から、京都市内の学童野球チームでコーチとして指導していた宮井さん。「当初は負けるのが当たり前になっていて、子どもたちは負けても気にせず、砂で遊んだりしていた」という。
「野球の楽しさを教え、勝てるチームにする」という目標を掲げ、児童が前向きに取り組めるよう、豊富な練習メニューを用意。「学童では必須と考える盗塁ができるチームに」と、リレーや鬼ごっこをメニューに加え、走力アップも図った。
また児童のやる気向上などを目的に、体力測定を定期的に実施。能力向上の見える化にも取り組み、徐々に試合で勝てるようになった。「子どもたちに、『もっと勝ちたい』という欲が出てきて、好循環が生まれた」という。
その結果、06年に夏の全京都大会で16強、08年には春の同大会で4強に入るなど、強豪チームに生まれ変わらせることができた。
これらを説明したあと、宮井さんは「監督に叱られて落ち込む児童がいれば、叱られた理由を説明し、励ましていました。叱られて帰ってきた子を、家庭でも責めてしまうと、居場所がなくなってしまう。前が向けるよう、保護者がしっかりフォローを」と伝えた。
さらに学童チームが年々減少していることにも触れ、「これまでの指導方法は、叱ることが多かったでしょうが、うまく褒めることで、『野球って楽しい』と思わせることが、野球人口減少を止めるためにも、これから大切になると思っています」と話した。
写真=学童野球チームでの指導について話す宮井さん