募金で渡米、心臓移植受けた尊君 元気な1年生に

2022年06月20日 のニュース

 難病の拡張型心筋症を患い、2017年にアメリカで心臓移植手術を受けた京都府福知山市の後一尊君。今春から大正小学校(伊豆英一校長)に通う1年生になった。特別支援学級のかがやき学級で学び、熱心に授業を受けたり、給食の時間にはおいしそうに食べたりと、日々の学校生活を楽しんでいる。

 尊君は生後4カ月の時、拡張型心筋症で心臓移植が必要と診断された。両親は手術を受けるためアメリカに渡航することを決意。手術費用は寄付を募り、全国から必要額の3億2千万円の温かい支援を受けた。17年11月、2歳になった尊君は渡米し手術を受け、18年3月に帰国した。

 現在は3、4週に1回のペースで大阪府内の病院に通院し、経過観察をしている。長年の入院生活で、体の成長はゆっくりだが、最近は、誰かの支えがなくても一人で立てるようになった。

 今年4月に小学5年生の姉と3年生の兄が通う大正小学校に入学。休み時間には、兄姉が顔を見せ、仲良く話をしている。

 算数の授業では、1から10まで数字が書かれたカードを大きい順に並べたり、先生が手をたたいた数を問いかけ、それに元気よく答えたりと、しっかり取り組んでいる。楽しみな給食の時間は、メニューを完食し、「おいしい」と笑顔を見せた。

 好奇心旺盛で、恐竜や昆虫の図鑑を見ること、パズル、折り紙などが好きだという。母の美優紀さん(31)は「いろいろなことに興味を持っており、毎日楽しそうでうれしいです。自分で物事を考え、自立できる力を養ってほしい」と、尊君の元気な姿に目を細めていた。

■学校と医療機関連携、感染症対策など徹底■

 尊君は心臓移植に伴う投薬の影響で、体の免疫機能が低下し、感染症などにかかりやすく、重症化しやすい状態にある。そのため、手洗い、消毒などを徹底している。また、学校生活で医療行為を行うため、医療機関と連携し、常に看護師がサポートできる態勢を取っている。できるだけ行事にも参加できるよう、主治医と相談しながらベストな方法も模索している。

 担任の杉本淳子先生は「頑張って毎日来てくれていることがうれしい。見るものすべてが新鮮なようで、楽しそうに過ごしています。これから、少しずつ集団になじめていければ」と健やかな成長を願っていた。

 

写真=一生懸命問題を解く尊君

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