訪問介護ならぬ「訪問蚕」 児童と高齢者が交流

2022年06月04日 のニュース

 京都府福知山市三和町千束、小中一貫教育校・三和学園の4年生12人が3日、学校で飼育する蚕を持って、川合集落センター(上川合)を訪れ、地域の高齢者と交流した。町内ではかつて養蚕が盛んで、幼少期に育てていた人も。久しぶりに見る蚕の姿に「懐かしい」と目を細め、児童たちとの会話に花を咲かせた。

 訪問介護ならぬ「訪問蚕」と称した取り組み。三和学園の三和創造学習地域講師で、蚕業遺産研究会代表の吉田武彦さん(63)が、蚕を福祉に生かせれば-と、昨年6月から始めた。これまでに町内で2回行ったが、児童が一緒に訪問するのは初めてという。

 この日は、4年生が世話する蚕100頭(匹)、吉田さんが自宅で育てる500頭を合わせ、計600頭を持参。上川合いきいきサロン(田中美千子代表)の13人が出迎え、蚕をテーブルに置いて囲むように座り、交流の時間がスタートした。

 児童たちは「昼休みに、餌の桑の葉をやったりして、毎日世話しています」「蚕が首を上げているときは、おなかが減っている合図」などと紹介。自宅で育てていたサロンのメンバーは、当時を懐かしんで蚕を眺めたり、児童と一緒に触ったりして、楽しいひと時を過ごしていた。

 4年の西山遥人君は「学校で蚕について学んだことを伝え、地域の人と仲良くなれたので、うれしかった」と笑顔。河内としのさん(86)は「蚕を以前飼っていたので、涙が出るほど懐かしい。子どもたちに元気をもらえて、幸せな時間でした」と喜んでいた。

写真=児童と一緒に蚕を観察するサロンのメンバー

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