収穫量は厳しいが…ムベ農園、雪害の復旧終え予定通りに授粉作業
2022年04月26日 のニュース
不老長寿の実と伝わる果物・ムベの栽培をする京都府福知山市夜久野町の西垣自治会(大西敏文自治会長)は23日、地元のムベ農園で、結実を安定させるための人工授粉をした。昨年暮れの記録的な大雪で被害を受けて復旧作業を終えたばかりだが、「市の特産品になるように頑張りたい」と作業に励んだ。
約7アールの休耕田を開墾し、2017年冬に約100本の幼木を植え、試行錯誤しながら栽培を続けた農園。棚にはつるが広がり、鶏卵より一回り大きく、艶のある市場価値が高い実がなるまでに成長していた。
しかし昨年末、想定外の積雪で、支柱の大半が倒れる事態に。全滅かと思われたが、ムベ自体はほとんど折れずに残って多くの花芽を付けており、予定通り授粉作業をすることになった。
人工授粉の作業には8人が参加。午前8時30分ごろに集まり、それぞれが軟らかい毛先の筆を手に、おしべを触って花粉を取り、めしべにまんべんなくつけていった。
今秋で収穫6年目を迎える。事業部長の衣川秀正さんは「雪害で今年の収穫はあきらめかけていました。重い雪の下でつるが耐えてくれ、復旧作業も順調に進み、昨年と同時期に授粉作業ができた」と喜ぶ。
さらに「約1カ月半後には結実するので、収穫量を予測できますが、樹勢が衰えていて今秋は厳しい結果になりそうです。ただ、追肥など管理を徹底し、来年以降は回復できると思います」と話していた。
すぐに設置できる支柱50本を購入し、今後の積雪に備えている。
写真=筆を手に人工授粉の作業をする自治会の人たち