大学生が仮想空間で密を避ける音楽イベントを開催 出演者が地域紹介や交流も

2022年04月21日 のニュース

 京都府福知山公立大学情報学部の学生たちが、インターネット上の仮想空間で、音楽イベント「Virtual Fukuchiyama Fes(バーチャル フクチヤマ フェス)」を定期的に開いている。音楽を楽しみながら、各地から出演するDJが、それぞれの地域の魅力を紹介し合い、地域交流を図る。

 メンバーは、公立大学のDJサークル「Fortune House(フォーチュン ハウス)」の3人。2020年にサークルを発足させたが、新型コロナウイルスが流行し、披露の場が失われた。そんな中、大学の授業で仮想空間について学び、人が「密」にならないイベントを考案した。

 地域課題に着目した学生の取り組みに、大学が助成する「学生プロジェクト」に採択され、昨春に始動。サークルの代表を務める3回生の奥田諒平さんが、専用のソフトウェアで福知山城をモチーフとしたワールド(世界)を自作した。

 初めての作業で製作に5カ月ほどかかったが、ワールドには、福知山城や桜を再現したほか、DJブースには機材も完備し、昨秋に完成した。

 プラットフォーム「VRチャット」を活用し、昨年12月に第1回フェスを開催。北海道や大阪などから集まった出演者がDJを披露し、その合間に地域紹介などをした。仮想空間には延べ30人ほどが訪れた。

 4月9日夜には第3回を開き、奥田さんや石川県などでDJ活動をする計3人が出演。奥田さんは、福知山のおすすめの店舗などを紹介し、「福知山駅はきれい。街並みもよくてお店もそろっている」と魅力を伝えた。

■アバターを介して隣の人と交流も

 参加者はインターネット回線が利用できる状況で、「ヘッドマウントディスプレイ」などのVR(仮想現実)機器を頭や手に装着し、仮想空間の世界を体感。現実の世界のように感じられる。音楽イベントでは、アバター(自分自身の分身)を介して隣にいる人とコミュニケーションが取れる。

 学生プロジェクトの顧問を務める情報学部の倉本到教授(47)は「大学や企業がコストと人員をかけて仮想空間でイベントを催すことはあるが、学生がサークルレベルの少人数で定期的にイベントを運営するのは珍しく、最先端を走っている。地元のことを紹介することでリアル(現実社会)にもつながるのでは」と話す。

 奥田さんは「密にならず市内外に福知山のお店を紹介することができる」と話し、「47都道府県から演者を招き、ワールドの質も向上させて、有名なイベントにしていきたい」と今後の展望を語る。

 ユーチューブで配信を視聴することができる。次回の開催は6月、8月に計画している。

 イベント情報は、ツイッターのアカウント「@DJ_FortuneHouse」などで発信している。


写真上=仮想空間で音楽イベントを開いた
写真下=VR機器を装着する奥田さん

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