廃止惜しみ常連客 三和荘の大浴場、17年の歴史に幕
2022年03月31日 のニュース
京都府福知山市三和町寺尾の宿泊・交流拠点施設「三和荘」で、日帰り入浴(風呂)が最後の営業日を迎え、29日で17年の歴史に幕を閉じた。新装オープンした当初から、憩いの場として地元を中心に京阪神の人たちが訪れた。浴場は新年度に廃止される。
三和荘は旧町時代の2005年に全面建て替えされ、宿泊やレストラン、多目的ホールなどを備えた交流拠点に生まれ変わった。それ以降、地元住民らでつくるNPO法人丹波・みわ(八木透理事長)が指定管理者制度で市の委託を受けて運営してきた。
日帰り入浴は、大浴場や露天風呂、サウナなどが楽しめるとあって、三和荘の施設の中で利用者数は一番多く、2008年度には延べ6万人近くが訪れた。
そんな中、市は指定管理者制度の見直しを図り、新年度から三和荘を市直営にすることを決めた。運営形態の変更に伴い、大浴場は廃止し、多世代交流施設として生涯学習機能などを設け、レストランと宿泊は民間力を活用する。
風呂の最後の営業日には、多くの常連客らが湯につかり、心身ともに癒やされていた。顔なじみの従業員とも、「最後だから来たよ」「元気でね」などと声を掛け合っていた。
寺尾に別荘を所有する大阪府高石市の男性(71)は、オープン時から通う常連客。「浴場そばの休憩所から望むのどかな景色が良かった。最後だと聞いて3日間連続で入りに来ました。きょうも最高の湯でした。無くなるのは仕方がないが、残念で寂しい」と惜しんでいた。
市は、スポーツ施設利用者が汗を流すシャワールームや宿泊施設のリニューアルなど、改修工事を22~23年度中に行う予定としていて、4月1日以降はテニスコート、体育館などのスポーツ施設と多目的ホール、会議室のみで利用を継続する。
写真=最後の入浴を楽しむ常連客