東日本大震災11年を前に緊急派遣想定し訓練 土砂からの救出やテント設置
2022年03月10日 のニュース
3月11日に東日本大震災の発生から11年になるのを前に、福知山市消防本部(水口学消防長)は9日、京都府福知山市長田野町の福知山消防署東分署などで、大規模な災害が発生した場合に派遣される緊急消防援助隊の想定訓練をした。署員は大震災から得た教訓を胸に、土砂災害時の救出訓練に取り組んだ。
緊急消防援助隊とは、阪神・淡路大震災をきっかけに全国の消防機関による応援を速やかに実施するため、1995年に創設。消防庁長官の求め、指示により、福知山市消防本部は京都府大隊の一員として被災地に駆け付ける。
東分署では署員15人が、土砂に埋もれた人形の救出訓練を実施。協力協定を結ぶ一般社団法人無人航空機操縦士養成協会のドローンを使って想定現場周辺の情報収集をしたあと、捜索を開始した。
首から下が土砂に埋まった人形を発見し、隊員らの2次災害につながらないように周囲に合板とパイプで土留めを作り、スコップで土砂を掘り下げて救助した。
このほか、東羽合の市消防防災センターでは、府大隊の指定を受ける後方支援隊が、宿営地設営訓練を実施。隊員が寝泊まりするテント設置などをした。
水口消防長は講評で、東日本大震災に触れ、「実災害では過酷な状況下で長時間の活動が想定されます。被災地を救えるよう、訓練を継続し災害対応能力の向上に努めてください」と隊員たちの士気を高めた。
写真=土砂に埋まった人形の救出訓練をする隊員たち