和紙の原料コウゾの天日干し始まる 寒いほど最適

2022年02月15日 のニュース

 京都府福知山市内で唯一、手漉き和紙作りをする大江町二俣一の田中製紙工業所で14日から、和紙の原料となるクワ科の植物コウゾの天日干しが始まった。稲木に掛けられたコウゾが寒風を受け揺れている。

 二俣などの大江山周辺では、古くから紙漉きが盛んで、明治時代から昭和時代にかけては200戸余りが手漉き和紙作りをしていたが、洋紙の普及などで需要が減り、作り手も少なくなって、現在では田中製紙だけとなった。

 田中製紙は、工業所近くにある2カ所の畑で栽培。今年も順調に育ち、昨年12月中旬から刈り取りを始めた。年末からの雪で刈り取り作業が1月にずれ込んだが、収穫量は約3・5トンとなった。

 和紙の原料となるのは、皮の内側の繊維部分で、幹を約1・2メートルの長さに切りそろえ、木製の桶の中で蒸して、はいだ皮の部分を稲木に掛けて乾燥させる。

 天日干しは、工業所5代目の田中敏弘さん(60)と家族で作業。高さ約5メートルの稲木を2基立て、高い場所に掛ける際は、田中さんがはしごで上り、家族が下から放り投げるコウゾの束を受け取り干していく。

 1回掛けると、乾燥するまで約2週間かかる。天日干しは3月初旬まで続く。田中さんは「この冬は雪が多く、寒い日が続いているので、天日干しには最適で、心配なく作業が進められています」と話している。


写真=下から放り投げられるコウゾの束を受け取る田中さん

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