一押しは精進バーガー 僧侶夫婦がキッチンカーで「食のありがたさ」広め

2022年01月02日 のニュース

 福知山市内の寺の僧侶夫婦が「キッチンカー」で、料理の移動販売をしている。街中でかわいらしい車を走らせ、寺ならではの精進料理風ハンバーガーや無添加のソフトクリームなどを提供。販売を通じて、食のありがたさや人との出会いの大切さを広めている。

 夫婦は報恩寺集落にある福性寺の桐村正昭住職(66)と妻の郁子さん(40)。新型コロナウイルスの感染が広がり、寺へ参拝する人が減少。「それならばこちらから出て行って、話をするきっかけをつくろう」と、キッチンカーでの販売を思いついた。

 一昨年夏に、縁あって、病気でキッチンカーでの商売を諦めた香川県高松市の男性と出会い、車を譲ってもらうことが決まった。桐村さん夫婦は「男性の夢も引き継ごう」と、食品衛生管理者の免許を取得。調理道具などをそろえて、昨年6月に移動販売を始めた。

 店名は「taiyou&tsuki」。同寺の本尊である薬師如来像の脇仏、日光菩薩と月光菩薩から名付けた。

■ティファニーブルーのワーゲンで■

 キッチンカーは1962年製のフォルクスワーゲンのバスタイプの車で、本体は水色系のティファニーブルーで塗装されていて、遠くからでもよく目立つ。

 メニューは精進料理を気軽に食べてもらおうと考えた「精進バーガー」が一押し。肉の代わりに、長イモとジャガイモ、レンコンをすりおろして揚げたもの(パテ)を、千切りしたキャベツやゴボウなどの季節の野菜を添えて、パンで挟む。ソースは大根おろしや豆乳マヨネーズで味付けし、あっさりしている。

 また、知り合いのフレンチシェフが調理した肉を使ったローストビーフ丼や生乳とビート糖を用いたソフトクリームも、甘すぎず、人気がある。ソフトクリームのワッフルコーンは、桐村住職が米粉や卵などを材料に、一枚ずつ丁寧に焼いている。

 「体に負担を掛けないようなものを提供したい」と言う桐村さん夫婦。なるべく有機栽培で作られた地元の野菜を選び、調味料も無添加のものを使っている。「動物や魚の肉と同じで野菜も生き物からできています。多くの人たちに食のありがたみを感じてもらえればうれしい」と願う。

 車内は狭いが、2人でうまく役割分担して調理する。郁子さんは「注文受け付け口がお客さんと同じ目線になるのがうれしい」と喜び、桐村住職は「長くいると腰が痛くなりますが…」と言う。

 これまで寺の行事や家事などで互いに忙しい日々を過ごし、ゆっくり話す機会は減っていたが、キッチンカーに乗るようになって、会話が増えたという。次女の花子さん(9)が手伝うこともあり、家族で力を合わせ接客する。

 福知山、綾部両市内などで開かれるイベントの会場や店先で車を乗り入れ、食を提供する。将来的には外出が難しい高齢者や老健施設の入居者から注文を受け、自宅に届ける構想も持っている。

 新型コロナウイルス禍で、テイクアウトの需要が広がる中、桐村住職は「キッチンカーの店を出すことで、みなさんに元気になってもらいたい。変わった形での布教活動です」と笑う。郁子さんは「移動販売を通じて、寺に興味を持ってもらい、参拝していただければありがたいですね」。


 太陽と月の関係のように支え合っている。

写真は上から
 かわいいキッチンカーの横に立つ桐村さん夫婦
 精進料理を気軽に食べてもらおうと考え作った「精進バーガー」
 豪華なローストビーフ丼
 狭い車内で役割分担して調理
 販売を通じて人との出会いも大切にする

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