企業の要望受けて課題を解決する装置を開発、納品 府立工業高生
2021年12月20日 のニュース

福知山市石原の京都府立工業高校(須貝義和校長)ロボット技術科3年生の4人が、綾部市にある企業の、課題を解決する装置を開発した。生産されたネジを入れる容器が、正しく設置されているか判定する装置で、実際に納品し、工場内の作業で使われる。
今年2月に、綾部鉄工工業協同組合(波多野隆史理事長)が、綾部商工会議所を通じて、組合に所属する会社の課題解決についての案件を同校に相談。生徒たちが挑戦できそうなものを選んで、要望に応えるシステム作りを始めた。
今回の課題は「生産したネジを容器から別容器へ移し替える際、別容器が正しく設置されているか検知するシステムがほしい」というもの。容器がきちんと設置されていなければ、ネジがこぼれ、廃棄することになるため、無駄を無くすためにも必要な仕組み。
4月に「企業連携システム開発チーム」として挑戦する生徒を募り、山中理央君、吉見尚士君、四方望羽さん、足垣琉奈さんが立候補した。全員で装置についてのアイデアを出し合って設計。納品先の波多野製作所(社長・波多野理事長)との打ち合わせ、プレゼンにも取り組んだ。
開発した装置は、赤外線センサーで容器の有無や傾きなどを測定し、正しく設置されていれば青色のライト、そうでなければ黄色が点灯するもので、ライト部分は壁面に取り付けられるようになっている。女子2人が回路を組み、男子2人が回路を組み込む容器を加工するなど、役割分担して作業した。
同社からは「工場内は機械音が大きいため視覚的に分かると良い」「油分も多いため耐油性がほしい」という要望があり、それに応える性能になっている。
4人は「購入してもらう形になるので、部品のコストまで考えたほか、実際に使用されるものを作るという責任を感じました。経験できて良かったです。みんなで力を合わせて作業をする大切さも実感しました」と話している。
同校では、企業などからの課題解決の相談や案件を随時、受け付けている。
写真=容器の設置判定装置を持つ山中君、足垣さん、四方さん、吉見君(右から)