「議員報酬増額を、代わりに活動しっかりと」 福知山市議会研修会で講師
2021年11月25日 のニュース

議員定数や議員報酬の適正化などについて調査研究をしている京都府福知山市議会は、このほど全議員24人を対象にした研修会を開き、議員報酬のあり方について考えた。
研修会の講師は自治体議会研究所代表、元三重県議会事務局次長の高沖秀宣さん。議員報酬について、人口規模が同程度の近隣自治体と比べて決める比較方式は「議員や議会活動の差が反映されない」、議員の市政への成果でみる収益方式は「貢献度の数値化が難しい」ことから、それぞれそぐわないとした。
推したのは、首長の公務時間と議員活動時間とを比較する原価方式で、採用には至っていないものの、三重県議会では「議員報酬は県知事の給与の7割相当になる」との調査データが出ていることを紹介した。
福知山市議会に原価方式の7割をそのまま当てはめると、現行の月額報酬41万円が65万円になるとしたが、高沖さんは市と議会とのパワーバランスを考えると、「議員は副市長と同額(福知山市は76万円)くらいはもらっても良いと思う」と踏み込んだ。
ただ増額ありきではなく、「その代わりに議員活動がしっかりできていることや、副市長と同等の仕事をしていると市民が認めてくれないとだめです。そのためにも議会を評価する第三者機関を作るべき」と助言。議員活動が活発になることを理由に、1年間を会期にする通年議会の導入も望ましいとした。
研修後には議員と高沖さんが30分にわたる質疑応答で議論を深めた。
また、市議会は別の日に駅前町の市民交流プラザで議会報告会を開き、市商工会と意見交換をした。
写真=議員報酬のあり方について話す高沖さん