庭先に飛来したゴマダラチョウが卵を産み、秋に羽化
2021年10月03日 のニュース

生息数が減っているオオムラサキなどの蝶を飼育する愛蝶家、京都府福知山市厚中問屋町の大地洋次郎さん(80)方で、タテハチョウ科のゴマダラチョウが羽化した。大地さんのところでは、これまで何度かゴマダラチョウが飛来して卵を産み、成虫になったことがあったが、ほとんどが初夏で、秋の羽化は初めてだった。
ゴマダラチョウは北海道から九州まで分布。黒地に白色の斑紋がちりばめられた羽を持ち、年に2、3回羽化するという。
大地さんは9月初めごろ、庭先に置いていた鉢植えのエノキの葉にいる幼虫を見つけた。すでに大きくなっていたため、鳥などに食べられないようにと、オオムラサキを飼育している小屋へ移して保護。29日早朝に羽化した。
雄で羽の大きさは7~7・5センチ。小屋内を元気に飛び回っている。
昆虫に詳しい市自然科学協力員の山段眞彦さん(60)は「これからの越冬や成虫の生活を考慮すると、9月29日の羽化は遅いようです。温暖化が原因と考えられ、3回目の羽化か、少し遅めの2回目の羽化となったのではないでしょうか」と推測。「幼虫が食草とするエノキが落葉せずにまだ青いので、成長が進んだことが原因かもしれません」と言う。
大地さんは、しばらくの間ゴマダラチョウの様子を見たあと、放すことにしている。
写真=小屋の中で羽を休めるゴマダラチョウ