アプリやメール活用し、緊急事態宣言下で防災訓練 災害発生時は「感染を恐れず避難を」 

2021年08月31日 のニュース

 台風による浸水被害を想定した京都府福知山市地域防災訓練が29日、市内で行われた。新型コロナウイルス感染防止のため、市は防災アプリや防災行政無線放送などを活用した避難情報伝達訓練のみを実施。市民は自宅などで、警戒レベルに応じた取るべき行動を確認した。

 例年であれば、国、府、市など関係機関で大規模訓練を行うが、京都府に緊急事態宣言が発令され、市内でも継続して感染者が発生していることを受けて、規模を縮小。この日は、午前8時30分から9時までに計3回、サイレンや防災行政無線放送、防災アプリ、緊急速報メールを使い、避難情報を住民に伝達した。

 警戒レベル4の時には、市内に滞在している人の携帯電話に緊急速報メールを配信するなどして、自らの命を守るための行動を周知する。市危機管理室の職員5人は、庁舎の屋上にあるサイレンを手動で鳴らしたり、市民からの「防災行政無線放送が聞こえづらい」などといった電話対応にあたった。

地域では緊急連絡網の確認も

 地域主体の自主防災訓練も各地で行われてきたが、市は避難所へ人が集まるような訓練の中止や延期を各地域に依頼。旭が丘などの自治会では人と接触しない形式で訓練に取り組み、電話で緊急連絡網が機能するかなどを確認した。

 市危機管理室によると、避難所では感染対策を徹底していることから、災害発生時は緊急事態宣言下であっても「感染を恐れずちゅうちょなく避難してほしい」という。また、避難所だけでなく、車両で高台へ逃げるなど分散避難も呼びかけている。

 危機管理室の森下邦治室長は「大規模なものは去年に続いて中止し、最低限の訓練を実施した。警戒レベルが改定され、避難情報が変わったことを市民のみなさんには確認してほしい。これから台風シーズンになるので、備えをお願いしたい」と話す。

備蓄食材のレシピ動画で紹介

 また、災害時に栄養不足にならないようにと、福知山市は備蓄防災食材の簡単レシピを紹介する動画を作り、27日から、市のユーチューブチャンネルで配信を始めた。「有事に備えて、平時にぜひ作ってみてください」と呼びかけている。

 災害時はパンやご飯などの主食中心の食事となり、ビタミン、食物繊維などが不足しやすくなり、その生活が長期化した場合は、健康上の問題につながる。

 そこで、危機管理室の職員、子ども政策室と健康医療課の栄養士でつくる「毎ベジ推進チーム」が、不足がちな栄養素が多く含まれる缶詰や乾物、日持ちする野菜などを使った簡単レシピを考案。火や電気がなくても作れるような調理方法となっている。

 動画は、備蓄パンにたんぱく質が多く含まれているツナ缶、ビタミンが豊富な缶詰の果物を乗せた「お手軽オープンサンド」、キャベツやハムを手でちぎって、キュウリ、ニンジン、揚げ麺、調味料をポリ袋に入れてよく混ぜる「揚げ麺のサラダスナック」の作り方を、それぞれ4分ほどでまとめている。

写真=手動でサイレンを鳴らす職員

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