有害鳥獣に超音波 柵で塞げない集落入り口に撃退器
2021年05月29日 のニュース

日本の棚田百選に選ばれている京都府福知山市大江町毛原で、作物を荒らすシカやイノシシ除けのセンサー付き撃退器が取り付けられた。いろんな音が出てシカなどを追い払うもので、地元自治会が、シカなどが侵入しやすい集落への出入り口2カ所に設置。地元住民は「これまで自由に入って来ていたので、なんとか食い止めたい」と願う。
毛原は約600枚の棚田が広がる風光明媚な地区だが、近年過疎化や少子高齢化の影響で、農業の担い手が減少するとともに、山から餌を求めて里に下りてくるシカ、イノシシによる獣害も悩みの種になっていた。
地元農家では地区内の山際に鉄柵や電気柵などを設け、侵入を防いできた。しかし集落の出入り口は柵で塞ぐことができないため、これまでシカやイノシシが自由に入り、作物を食べたり、田の稲を踏み荒らしたりしてきた。
自治会では何とか被害を少なくしようと、撃退器を取り付ける計画を立て、22日に農家6人が出て設置作業をした。
撃退器は、動く物にセンサーが反応し、シカなどが嫌がる超音波や動物の鳴き声などの疑似音が出るようになっている。超音波は人には聞こえないが、大きな音が出る疑似音は車が出入りする度に反応し、騒音となるため、初めは超音波だけにする。
しばらくはこの状態にしておき、効果があるかどうかをみていく。毛原の水口一也自治会長(63)は「動物が超音波に慣れてくると、効果が薄れてくることも考えられます。慣れてきたころには疑似音を出すことも検討したい。いろいろな策を講じて獣害を防いでいきたい」と話している。
写真=入り口に設置した撃退器