地酒で村おこし続けた大江の「才ノ神」 高齢化で四半世紀の活動に幕
2021年05月24日 のニュース

京都府福知山市大江町南三で、地酒「才ノ神」の原材料となる酒米を育てていた地元団体が、5月31日をもって解散する。メンバーの高齢化と赤字が続いたため、四半世紀の歴史に幕を閉じる。
団体は「地酒才ノ神を造る会」(奈良井文昭会長、11人)。水害常襲地の同地区の村おこしになればと、1997年に会を発足。当初は約10アールの田で酒米・五百万石を栽培していたが、徐々に面積を増やし、近年は約40アールで育てていた。
例年5月に田植えを行い、8月に稲刈りを終え、収穫した米は農協に出荷。宮津市のハクレイ酒造で醸造され、純米吟醸原酒として売られていた。流通はほとんど地元のみ。例年5月に地元の藤公園で開かれる藤まつりでは、地区外の人も購入できた。
まろやかで飲みやすい味だと好評だったが、作業費などがかさみ、近年は黒字から赤字に転落。メンバーの高齢化や担い手不足もあり、昨季の作付けで最後にすることになった。
奈良井会長(69)は「今月の販売で活動は最後になりました。年の初めの自治会の集まりでは、この酒を飲んで住民同士が交流を深めるなど楽しい思い出が多く、解散は寂しくはありますが、これまで多くの人のご理解とご協力をいただきながら続けられたことに感謝しています」と話している。
写真=四半世紀の歴史に幕を閉じる地酒「才ノ神」