感染急拡大で消防操法大会が2年連続中止 府大会は辞退、団員「やっぱり残念」
2021年05月13日 のニュース

新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、京都府福知山市消防団(池澤徹団長、29分団1651人)は、市消防操法大会の中止を決めた。2年連続で訓練披露の場が失われ、「市内の感染者が増える状況から仕方ないが、やっぱり残念」と肩を落とす団員もいる。
市消防操法大会は、緊急時の連携力や消火技術などの向上を目的に、小型ポンプ操法の技術を競い合うもので、市消防団が隔年で6月末ごろに実施している。勝ち上がると、府大会や全国大会に出場できる。
本来なら昨年、第32回大会を開く年にあたっていたが、新型コロナの影響で延期。今年3月上旬に、6月6日の開催が団員たちに伝えられていた。
このことを受けて前回大会準優勝だった大正分団(高岡正秀分団長、45人)は、優勝をめざして3月29日から大正小学校グラウンドで訓練を開始。例年なら3カ月ほど要するが、今回は約2カ月間しかなく、頻度を増やし週3回行った。
そんな中、4月に入って市内の感染者が急増。5月の大型連休明けまで訓練の中止が言い渡された。
初めて出場する団員のために、自主練習用の訓練道具を合板や家庭用ホースなどで作った幹部がいて、高岡分団長(53)は「その思いに、泣きそうになった」と言う。
しかし、感染は収まることなく、4月28日には大会の中止が通知された。高岡分団長は「市内の感染状況をみると、さすがにできない。団員の家族からもやめた方が良いのではとの声があった」と話す。
ただ「訓練した成果が残らないので、最後までやらせたかった」との思いも強い。「今は毎月の防火広報も回れない。早く終息して、通常通りの消防団活動ができるようになれば」と願う。
府大会、全国大会は現在、中止されておらず、市消防団は、9月に京丹波町で予定される府大会への出場を辞退する。
写真=消防操法大会に向けて規律訓練をする大正分団の団員ら(3月29日、大正小学校グラウンドで)