感染力強い変異株が福知山でも猛威 保健所長「若年者にもリスク」と指摘
2021年04月19日 のニュース

新型コロナウイルスの感染者数が、福知山市内でも急増している。4月に入って18日現在で48人の陽性が判明した。京都府府中丹西保健所=篠尾新町=の笹島浩泰所長(61)は「感染力の強い変異株が、市内でも拡大している可能性が高い」と指摘する。府内全体でみると、基礎疾患のない若年者でも重症化する例があり、「高齢者だけでなく若年者も注意を」と、感染防止対策の徹底を呼びかける。
4月の感染拡大スピードについて、笹島所長は「過去の波の比ではないほど早く、現在進行形で加速している」と危機感を抱く。その要因として、異動で都市部から人が流入したこと、歓送迎会など活発な会食の影響が大きい-と分析する。
これに変異株の拡大が加わり、若年者を中心に感染が広がったとみる。「市内で若年者の重症例はまだ無いものの、府内では基礎疾患のない若年者が感染し、人工心肺装置のエクモを使用した例もある」と警鐘を鳴らす。

■会食での感染目立つが 店への中傷はやめて■
感染経路として多いのは、やはり会食。市内で初めてのクラスター(感染者集団)も発生し、「店の性質や構造上、密になりやすく、換気などの対策が難しいところはリスクが高い。会話の際はマスクを着用するなど、対策に努めてほしい」という。
一方で、「飲食店がすぐ非難の対象になるが、ウイルスが店から発生するわけではない。店も被害者であることを忘れてはいけない」とし、店舗への中傷などは、絶対にしないよう強調した。
■保健所の業務や医療体制が逼迫■
また最近の傾向として、スポーツクラブや塾などでの感染もみられるといい、児童や園児が通っていると、学校や保育園を介して拡大する懸念もある。
「濃厚接触の対象者が増え、検査や積極的疫学調査など、中丹西保健所の業務も膨れ上がっている。陽性者を特定しようとする電話もかかってきますが、業務の妨げになる行為は控え、スムーズに仕事ができるように協力をお願いします」と話す。
さらに中等症以上の患者を受け入れる感染症指定医療機関、軽症者が入るホテル療養施設について、府北部でも逼迫しつつある状況という。
「これ以上に数が増えれば、余裕がさらに無くなってくる。飲み会の自粛など、出来るだけ我慢をして、会食は4人以内で2時間までにするなど、『きょうとマナー』の順守を」と念を押している。
写真上=新型コロナの現状を語る笹島所長
写真下=「きょうとマナー」のチラシ