九鬼水軍ゆかりの石仏33所巡る千歳山観音道 3集落が3年がかりで再整備
2021年04月06日 のニュース

京都府福知山市六人部地域の池田、岩崎、多保市3自治会に連なる歴史山道「千歳山観音道」。地元の名所ながら台風、雪による倒木や崩落で荒廃し、歩く人が減っていたが、地域の歴史と魅力を守り継いでいこうと、住民らが3年がかりで整備に取り組み、このほど終えた。
千歳山観音は、綾部藩・九鬼家の先祖で、戦国時代に九鬼水軍で名をはせた九鬼嘉隆の守り本尊が始まり。地元の守り神として親しまれ、観音石仏33体が祭られている。
新緑、ツツジ、ヤマザクラなど自然広がる山を散策できる観音道は延長約3キロ。勾配はそれほどきつくなく、かつては石仏33所を巡る人が多かった。ところが、近年は山道の荒廃が目立ち、訪れる人は少なくなっていた。
そこで、3自治会が2018年度から3カ年計画で観音道の整備を進めた。8メートル区間にわたる崩落を直し、道を塞ぐ倒木を取り除 き、破損して横たわる石仏の祠もきれいにした。
また、地区外にも情報発信をしたいと、現地に立てる幟、33石仏の案内板やロードマップも新調して、受け入れる準備を整え、地元は盛り上がっている。
生まれ変わった観音道を歩いた多保市の和田道春さん(84)は「近年は高齢者が時々登っている程度で、もったいないと思っていました。地区をあげて整備をしてくれたおかげで生まれ変わり、感無量です。地区内外で一層親しまれる場所になれば」と目を細めた。
写真=3年をかけて再整備された観音道