疫病よ鎮め 飛鳥時代の青面金剛王にコロナ終息願う 正眼寺・初庚申祭り
2021年03月05日 のニュース

飛鳥時代に全国で流行した疫病を鎮めるために作られた「青面(しょうめん)金剛王庚申(こうしん)尊天」を境内の庚申堂にまつる京都府福知山市寺町の曹洞宗・正眼寺(四方正道住職)で、初庚申祭りが13日に営まれる。例年より規模は縮小するものの、新型コロナウイルス感染のいち早い終息をと、願いはいつも以上に強い。
正眼寺は山陰最古の庚申霊場。庚申尊天は、大宝元年(701年)に作られたと伝わる木像で、高さは約80センチ。像は塗装が剥がれるなど、ひどく傷んでいたが、2016年に檀家からの特別寄付で修繕した。
毎年、最初に迎える「庚申の日」に堂の扉を開いて祭りを営んでいる。昨年は新型コロナウイルス感染が広がる前の1月に開催。今年は感染予防対策をしっかりとしたうえで開くことを決めた。
午前10時から本堂内で大般若祈祷をしたあと、11時から行者たちが堂の前に集まり、家内安全、無病息災などに加え、コロナの終息や感染防止の祈願をする。このあと、柴燈大護摩供養をする。
コロナ対策として、大般若祈祷については僧侶の数を例年の半分に減らし、甘酒接待などはしない。また参拝者への検温を実施。消毒液を置くほか、混雑防止に境内の順路を一方通行にする。参拝者にはマスクの着用を呼びかけている。
四方住職(63)は「このところコロナ感染者数は減ってきてはいますが、いつリバウンドで増加するか分からないので、今年こそしっかりと庚申さんに完全終息をお願いしたい」と話している。
写真=庚申堂内に安置されている青面金剛王庚申尊天